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EVスクーターシェアリング事業の実証実験を開始 新出光
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週刊経済2021年6月1日発行
九州大学の学生や教職員に無償レンタル
石油製品販売大手の㈱新出光(福岡市博多区上呉服町、出光泰典社長兼グループCEO)は5月10日、九州大学や福岡市と連携し、新規事業化を目指すEV(電動)スクーターバイクのシェアリングサービス事業「ラクすく」の実証実験を開始した。
「福岡市実証実験フルサポート事業」に採択された同事業では、低炭素型交通網の構築、移動手段の多様化・利便性向上、新たな観光モビリティの提供などを目指しており、実証実験で利用者ニーズや運営上の課題などを検証する。EVスクーターを活用したシェア型移動サービスの実証実験は全国初の取り組み。将来的には福岡市内に100カ所以上のポート場所を設置し、24時間どこでもライドシェアできるサービスを構想している。
7月30日までの実証実験では、環境負荷低減を目指すEVスクーターバイクを短時間から借りられて、専用ポートでの乗り捨てが可能な新しいシェアリングサービスのテストマーケティングを実施。九大の学生や教職員を対象に伊都キャンパス~JR九大学研都市駅までの移動手段として無償でレンタルする。サービスの形成に向けた利用ニーズや登録者数・利用回数・リピート率などのデータを収集する。
セルフ洗車機混雑情報配信の実証実験も
また同社は同日、給油所(SS)に設置するセルフ洗車機の混雑情報をAIとIoTを活用しリアルタイムで可視化する取り組みの実証実験も開始した。 今回、グループ会社の㈱イデックスリテール福岡が運営する「セルフ福岡空港東SS」(糟屋郡志免町別府)のセルフ洗車機に㈱バカン(東京都、河野剛進代表取締役)が提供するリアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN」を導入。これにより、利用者は手元のスマートフォンやパソコンからいつでも混雑状況を確認できるため、時間の有効活用やコロナ感染の3密回避などが期待できる。同SSでの来店の平準化などの効果を検証後、グループ全体のSSへの導入を検討していく。
VACANは、マップ上で近くの施設などの空き・混雑状況を一覧できる「VACAN Maps」という機能があり、利用者はアプリのダウンロードや会員登録などをせずとも、施設の位置や混み具合を確認できる。空き状況や混雑の検知にはさまざまな方法があるが、今回はSSに設置したカメラと独自の画像解析技術を活用。混み具合は、「待ちなし」「5分以上待ち」「10分以上待ち」「20分以上待ち」の4段階で表示する。