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3億5,000万円かけ本社敷地内に工場増設  第一施設工業    高さ50メートルのテストタワー併設


 半導体・液晶工場のクリーンルーム(無塵作業室)向け搬送システム製造、第一施設工業株式会社(粕屋郡新宮町大字上府、篠原統社長)は、総投資額3億5,000万円をかけ本社工場敷地内に高さ50メートルのテストタワーを併設した工場を増設する。4月めどに着工し、10月の完成を目指す。
 これはトップシェアを誇る主力の「垂直搬送機」の増産と、次世代の搬送システムとして第2の柱と位置付ける「非接触搬送装置」の生産に対応するもの。計画では、現工場東側の駐車場部分に2階建て新工場を増設。延べ床面積が2,310平方メートルで、1階を組立工場として利用し、2階は展示室や応接室にする。また新工場の西南角側には、5,000万円をかけ6人乗りエレベーターを付けたテストタワーを設置する。本社工場は2004年10月に完成。敷地面積が約8,800平方メートルで、建築面積が約2,100平方メートル、延べ床面積が西側の事務所部分が3階建てで約1,100平方メートル、東側の天井高10メートルの工場部分が約1,600平方メートル。
 篠原社長は「テストタワーは高さが50メートルもあり、周辺のシンボリックな建物になるだろう。07年は7月に設立40周年を迎えるが、工場増設で、“一段の飛躍”という次のステージに向かう礎の年にしたい」と話している。

 今期は建築部分離も受注堅調で減収増益に

 同社の今期(07年1月期)決算は、売上高が31億円で前期比6.5%減、経常利益が1億8,000万円で同54%増の減収増益を見込んでいる。
 今期は利益率の低い建築部(前期売上高約4億円)を分離独立させたものの、主力の垂直搬送機は半導体・液晶メーカーの活況な設備投資を背景に受注が堅調に推移。ここ数年財務体質強化に取り組んできた結果、減収ながらも増益となり、売上高に占める経常利益の割合は前期の3.5%から5.8%程度に上昇する。今後、主力の垂直搬送機は一般建物・病院などに向けても積極的に営業展開を図る。また05年に台湾メーカーに初納入した非接触搬送装置は、06年に九州経済産業局から「新連携事業」の認定を受け、三菱商事と同装置の応用分野拡大に向けた「オープンラボ」事業にも着手し、来期は5億円の受注を目指す。来期の全体では売上高が34億7,200万円の今期見通し比12%増、経常利益が2億4,100万円で同39%増と増収増益を見込んでおり、経常利益率も6.9%とさらに上昇させる計画。
 同社は1967年7月設立、資本金7,950万円。エレベーターの据付工事業から90年に研究開発型のメーカーに転換。91年に開発した無塵昇降装置が国内・東南アジアの液晶・半導体工場で約80%のシェアを獲得。98年から5年をかけて非接触搬送装置を開発。06年1月期は売上高が33億1,738万円、経常利益が1億1,689万円。経済産業省中小企業庁が06年4月に選定した「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれている。