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15億円かけ3工場生産体制を再構築  大電   09年12月期連結売上高300億円目指す


 電線メーカーの大電株式会社(久留米市南2丁目、森昭典社長)は、総事業費約15億円かけ、2009年12月めどに久留米事業所(同)および佐賀事業所(佐賀県みやき町)、上峰事業所(同上峰町)の3工場生産体制を再構築する。
 近年の自動車産業および各種半導体分野における産業用ロボットをはじめとした各事業部門の需要拡大を背景に、同社では09年12月までの3カ年中期経営計画(総投資額45億円)を策定。3工場主要製品の生産体制を見直し、産業用ロボットケーブル増産を柱とした生産ラインの拡充および製造基盤の確立を目的に再構築する。今回の工場生産体制見直しに伴い、07年8月に久留米事業所の「船舶向け油圧バルブ」と「自動車向けバッテリーインジケーター」の2生産工場を上峰事業所に移管。同工場跡地に産業用ロボットケーブル専門の生産工場を建設する。新工場は平屋建てで延床面積4000平方m。完成は5月を予定しており、09年度までに製造設備を整える。久留米事業所は産業用ロボットケーブルを主力とし09年12月期売上高目標は07年度比40%増の70億円超を目指す。
 また、上峰事業所へ移管した2生産工場は各設備の配置を見直し生産効率を高める。主に、部品を円滑に供給できる自動ラックシステムや最新型の射出成型機などを導入する。上峰事業所は油圧バルブ、バッテリーインジケーター、ネットワーク機器、PDP用蛍光体を主力とし09年12月期売上高は07年12月期比1・5倍の30億円を目指す。さらに、佐賀事業所では銅を素材としたメタルケーブルの生産設備を統廃合し、空いた3000平方mのスペースに光ファイバーの生産ラインを導入する。佐賀事業所は電力、通信用ケーブル、電力機器を主力とし09年12月期売上高は150億円突破を目指している。
 森社長は「3工場の生産ラインを集約し再構築することで、効率化を図り、高収益品目の増産につなげていきたい。今後、需要が期待される産業用ロボットケーブルをはじめとした生産効率向上を図るとともに充実した技術陣容をベースに、新製品の投入や新市場への参入を図る方針。中期計画の最終年度となる09年12月期連結売上高は300億円を目指し、明るく、楽しく、元気な、九州のグローバル企業を確立していく」と話している。
 同社は1951年3月設立、資本金4億1290万円、売上高226億円を見込む(07年12月期)、従業員440人。森社長は、鹿児島県出身、1948年3月15日生まれの60歳、九州大学工学部卒、趣味はゴルフ。