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WF地区に第2期展示場と5階建て立体駐車場 福岡市


マリンメッセ、国際センターとの一体活用目指す

福岡市(高島宗一郎市長)が再開発を進めるウォーターフロント地区(以下、WF、博多ふ頭)では2021年春、新展示場「第2期展示場」を開業する。
福岡市ではWF地区のコンベンション施設が需要に応じきれず、供給力の増強が課題となっている。第2期展示場は、敷地面積約1万7600㎡の土地に地上2階建て建築面積約9600㎡、延べ床面積約1万13000㎡、約5000㎡の展示面積を持つ施設になる。8月5日の取材で福岡市のMICE推進課の富田浩次課長は、「完成後マリンメッセ福岡(展示面積約8000㎡)や福岡国際センター(展示面積3500㎡)との一体利用を可能とする」と展望を語るなど、マリンメッセと第2期展示場をつなぐアーチ状の大屋根広場も設けるという。3拠点で展示可能面積が1万5000㎡となり、各施設で機能分担、連動を図り、WF内でよりハイレベルなMICE誘致を促進する狙い。遮音性のある可動空間仕切りによって展示室を2分割できる構造にし、別途1部屋約450㎡を2部屋設ける計画。第2期展示場は、2021年7月に開幕する世界水泳選手権、マスターズ選手権の競技会場の一つにすでに決まっている。
また、現在福岡国際会議場の隣では、地上5階建ての立体駐車場を2020年5月の完成予定で建設が始まった。これまでWF地区の施設ごとに分散していたWF地区の駐車場を一箇所にまとめ、周辺施設来場者の利便性を高める狙い。もともと250台収容可能だった駐車場だったが、新たに増設し、800台まで駐車できるようになるという。第2期展示場やマリンメッセ福岡の周辺ということもあり、イベントなどでの駐車場不足解消の役割が期待される。
第2期展示場と立体駐車場の設計、建設、維持管理業務は、民間による整備と運営を行うPFI(BTO)方式で実施し、昨年9月、㈱九電工(福岡市南区那の川1丁目、西村松次社長)を代表とするグループが落札した。総工費は約100億円。完成後は2036年3月末日まで維持管理を担う。施設の運営はマリンメッセ福岡など運営の(一社)福岡コンベンションセンターが担う。 将来的にはWF地区北側の「福岡サンパレス ホテル&ホール」を解体し、新たな都市機能の開発、コンサートや大型MICE機能を持つ新ホールの新設、300室程度確保できる高級ホテルの誘致を計画しているという。長期的な大規模再開発を通じてWF地区一体的に開発し、福岡市のハイレベルMICE誘致促進につなげる考え。今後段階的に概要が発表される予定。
福岡市MICE推進課の富田浩次課長は「WF地区に置いてMICE関連施設が徒歩圏内に一体的かつ機能的に配置される『オール・イン・ワン』拠点を目指す。供給開始後は国際会議の実施件数の数を追求するというよりも、さらに質、規模ともに高いMICE、イベントを呼び込みたい」と話している。

2019年8月20日発行