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QB第一ファンドから5000万円調達 スポーツセンシング


コミュニケーションツールの事業展開に備え

スポーツ計測用電子機器製造・販売㈱スポーツセンシング(福岡市南区向野2丁目、澤田泰輔社長)は9月7日、産学連携ファンドの「QB第一号投資事業有限責任組合」から5000万円を資金調達した。これに伴い、資本金を4000万円から9000万円に増資した(資本準備金含む)。
同ファンドは、西日本シティ銀行と九州大学の特定関連会社で、㈱産学連携機構九州の共同出資で設立したQBキャピタル合同会社(同市早良区百道浜1丁目、坂本剛、本藤孝両代表社員)が運営するもので、九州地域の大学などの研究成果を活用した新たな事業などに投資している。スポーツセンシングは九州大学大学院芸術工学府(旧九州芸術工科大学)出身の澤田社長が2015年に起業したベンチャーで、スポーツ・リハビリテーション分野を中心に製品の開発、製品及び販売のほか、スポーツテック・IoTに関するシステムを構築してきた。その優れたアイデア力と企画力により、スポーツの競技力向上に繋がる製品の開発が評価された。
今回の調達でソフトウェア開発業㈱しくみデザイン(同市博多区博多駅前4丁目、中村俊介社長)と共同開発したスポーツコミュニケーションツール「SPOCOMM(スポコム)」を開始する事業展開に備える。同システムはコンパクトな専用サーバーと複数のスマートフォン端末からなるもので、スポーツの現場で音声の一斉送信のほか画像や手描きイラストの送信もできる。また、競技向けのタイマーや心拍センサーなど、スポーツセンシングの各機器との連携が可能で、チーム運営からゲーム分析などさまざまな用途での活用が期待できる。
澤田社長は「今後もあらゆる競技でスポコムを導入していただくことで、スポーツの現場におけるコミュニケーションの課題を解消していきたい」と話している。
同社は2015年9月設立、資本金9000万円(資本準備金含む)、従業員12人。業界初の6軸センサーは移動方向、向き、回転を検出でき、さらに移動距離や移動速度などを算出できる。今年4月には、衣料製品や繊維原料などを取り扱う専門商社・帝人フロンティア㈱(大阪市北区中之島3丁目、日光信二社長)とウエアラブル製品開発の合弁会社「帝人フロンティアセンシング㈱」を設立した。

2018年10月10日発行