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PIF第1号案件としてエムスタイルジャパンと契約 西日本シティ銀行


週刊経済2023年1月11日発行(合併号)

企業のSDGs経営への取り組みを支援

㈱西日本シティ銀行(福岡市博多区博多駅前1丁目、村上英之頭取)は12月22日、10月に取り扱いを開始したポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)の第1号案件として、食料品や化学品・化学製品製造のエムスタイルジャパン㈱(同市中央区今泉1丁目、稲冨幹也代表取締役)と12月22日に契約を締結した。
PIFとは、顧客企業の活動が環境・社会・経済に与える影響を包括的に分析し、特定されたポジティブインパクト(プラスの貢献)の向上と、ネガティブインパクト(マイナスの影響)の緩和・低減に向けて、KPI(重要業績評価指標)を設定し、金融機関がモニタリングしながらその達成に向けて支援する融資。今回のPIF契約では、エムスタイルジャパンに対しての融資額が1億円、期間が7年、資金使途が運転資金となっている。同行では、今後も地域金融機関として、SDGs/ESGに取組む企業を支援することで、持続可能な社会の実現に貢献していく方針。
エムスタイルジャパンは2010年2月設立。100%天然のアナツバメの巣を原料とした健康食品や化粧品を製造・販売する事業者として、植樹活動、廃棄物削減、産学連携などに積極的に取り組むことで、環境・社会・経済にプラスの影響を及ぼす事業活動を展開している。今回のPIF契約の環境面のKPIでは、2029年までに4万2810本の植樹を行い、23年中に製品パッケージのシュリンク(商品をビニール素材のフィルムで圧着包装すること)の使用をゼロとする。社会面のKPIでは、23年までに6件の共同研究の実施を目指し、29年までに大学などの研究機関と累積18件の共同研究を実施する。経済面のKPIでは、Instagramのグローバルアカウントを作成し、29年までにフォロワー数1万1391人を達成し、29年までに海外市場の売上高13・9億円を達成すると設定している。