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LNG高騰、調達難受け「情報収集進め対策を」 西部ガスホールディングス
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週刊経済2022年8月17日発行
道永社長インタビュー抜粋
西部ガスホールディングス㈱(福岡市博多区千代)の道永幸典社長は、本誌9月号「地場主要企業トップインタビュー」に応え、ロシア・ウクライナ情勢などの影響によるLNG価格の高騰、調達難を受けての対応などについて語った。以下、インタビューを抜粋。
―2022年3月期連結決算(増収減益)について、ガス部門単体で初の赤字をどのように受け止めているか。
道永 原料LNGの調達先で発生したトラブルを受け、代替のLNGをスポット市場から調達した影響による費用増(64億円)や減価償却費の増加等により、ガス部門単体では赤字という結果になった。収支改善対策や業務効率化を徹底した結果、連結決算での黒字はなんとか確保できたが、非常に厳しい決算となったことを重く受け止めている。
―世界情勢に伴う原油高が続いており、エネルギー事業者は苦しい状況だ。
道永 日本向けLNG価格は約8割が原油価格に連動していると推測され、昨今の原油価格はロシアによるウクライナ侵攻や原油供給量の不安等から100ドル前後(7月時点)で推移しており、非常に高値の状況が続いている。ガス料金については、毎月、原料費調整に従って決まるが、LNG価格の高騰を受けて、ガス料金を値上げさせていただいた。ご利用のお客さまには大変心苦しく思っていますが、何卒ご理解をいただきたい。
LNG価格の高騰については、ロシアのウクライナ進行の問題や中国のマーケットの問題など様々な要因が絡んでおり、いつまで続くかを見通すのは難しいが、長期的に安定してガスをお届けできるように、これまでと同様に全力で経営効率化などに取り組んでいくつもり。
―LNGの調達についても、ロシアからの輸入分が少なくないが、対策を講じているのか。
道永 確かに、弊社はロシアのサハリン2からもLNGを一部輸入しており、ロシア・ウクライナ情勢を受け、情勢が不透明な状況が続いている。売り主や商社から情報収集を行って、事実関係の確認をすすめることに加え、エネルギー事業者の最大の責務であるガスの安定供給を維持し続けられるよう、対策の検討も並行して進めたいと考えている。
―今期(2023年3月期)業績予想については。
道永 前期末に公表した見通しを修正した。売上高については、原料費調整によるガス料金単価の上方調整の影響等から、前回予想を上回る見通し。利益指標については、電力市場価格の高騰や為替レートの想定を120円から135円に見直したことによる都市ガス原材料費の増加等により、前回予想を下回る見通しだ。
ロシア・ウクライナ情勢等の地政学的なリスクが増大するなど、将来の見通しが立てにくい経営環境だが、先日公表した中期経営計画「Next2024」のもと、徹底した費用削減等を行い、計画初年度の目標を確実に達成していきたい。