NEWS

IoTを活用した水道設備の実証実験  ウィットシステムズ


東亜建設技術、東京のコネクシオと共同で

水道施設の設備監視システムを手掛けるウィットシステムズ㈱(福岡市博多区博多駅東2丁目、石川清社長)は7月28日から、建設コンサルの東亜建設技術㈱(福岡市西区西の丘1丁目、藤田茂久社長)、携帯電話の卸売・販売業などを手掛けるコネクシオ㈱(東京都、井上裕雄社長)と共同で、福岡市水道局と「IoTを活用した水道設備点検の実証実験」を実施している。実証期間は来年3月末まで。
送水ポンプなどの水道施設の設備点検は、これまで定期的な点検や、稼働時間に合わせた部品交換など「予防保全」の観点から実施していたが、リアルタイム監視による機器の劣化傾向を管理する「予兆保全」を実現するため実施するもの。劣化状況を常時監視することで、メンテナンスのタイミングの「予兆」を捉え、点検の効率化や部品交換などのコスト削減につなげる。実験は四箇送水ポンプ場で実施。3台の送水ポンプにワイヤレスの振動センサを設置し、振動を解析することで故障前の予兆データを収集する。また、電源供給ケーブルには、絶縁劣化センサを取り付け、絶縁物の劣化予兆を検知。計測データは、コネクシオ製のIoT Gateway(ネットワークを中継する機器)に集積して解析し、異常があった場合はスマートフォンやPC、タブレットにアラートが出される。日々の解析データはクラウド上に蓄積され、見える化される。また、ウィットシステムズ製のAR(拡張現実)技術を活用したプラント保守支援ソリューションにデータを統合し、月に1~2回のペースで実施される「巡回点検」の質の向上にも取り組む。ウィットシステムズがデータを解析し、予兆保全とアラート発報の管理と、クラウド上に蓄積されたデータのグラフ化、ARによる巡回点検機能の提供を担う。コネクシオはIoT環境の構築、東亜建設技術は全体の取りまとめを担当する。石川社長は「今後、自治体や民間の工場などへシステムの導入を進めていきたい」と話している。
同社は2000年10月設立。資本金300万円。売上高1億5千万円(19年9月期)。従業員10人。

2020年8月18日発行