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ICT健康管理システムと見守り支援システムを連携 芙蓉開発


週刊経済2021年11月23日発行

ケア優先度や個人の異常値が設定可能に

医療機器開発などの芙蓉開発㈱(福岡市博多区山王1丁目、野中美和社長)は10月20日、自社のICT健康管理システム「安診ネット One」とパラマウントベッド㈱(東京都、木村友彦代表取締役社長)が開発した「見守り支援システム」とを連携させたサービスを開始した。
芙蓉開発は2008年から、重度化防止を目的に、個々人の心拍数、呼吸数、血圧、体温をAIで分析し、トリアージ(ケアの優先度)を赤・黄・緑で表示するICT健康管理システム「安診ネット」を開発、販売、運用している。現在高齢者施設や病院、在宅医療など医療、介護の各分野で運用されている。パラマウントベッドは、独自の体動センサーで検出した寝返り、呼吸、脈拍といった体動から判定した睡眠、覚醒状態をスマートフォンなどの端末に表示させ、共有するシステム「見守り支援システム」を開発。今回のシステム連携により、「見守り支援システム」で赤・黄・緑のトリアージ(ケアの優先度)、心拍数、呼吸数、血圧、体温をグラフにした「多機能熱型表」が表示されるほか、見守り支援システムの脈拍や呼吸数の通知設定を、「安診ネット One」の「異常値」をもとに一人ひとり設定できる。同社の「安診ネット One」同様、医療スタッフが不在でも介護スタッフが受診の必要性などを判断しやすくなり、重度化のリスクを軽減することが期待される。また、医療、介護スタッフが心拍数、呼吸数、血圧、体温などのバイタルデータを共有することで、医療処置などの業務連携を促進させられるようになる。同社は「本システムの連動により、よりリアルタイムで個人に合わせたバイタル通知を出せるようになる。高齢者施設や病院で現場効率化を図り、早期発見、重度化防止が可能になる。当グループ施設の臨床現場でも有効性を確認しており、『健康管理の質』と『作業効率化』を同時に解決したい事業者に推奨する」と話している。
同社は1986年4月設立。資本金は2千万円。従業員は14人。