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DX起点に「ビジネスモデルの変革」進める ふくおかフィナンシャルグループ


週刊経済2023年8月29日発行号

地場主要企業インタビュー抜粋

㈱ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市中央区大手門1丁目)五島久社長は本誌9月号のインタビューに応え、昨年4月の社長就任以降の取り組みや、同月にスタートした中期経営計画の進ちょく状況について語った。主なやり取りは以下の通り。
―社長就任以降を振り返って。
五島 社内外へ宣言した「お客さま本位の徹底」、「人と組織の活力を引き出す」、「収益を上げ続ける」という3つの方針をしっかりと意識して、各施策を進めている。「収益を上げ続ける」ことに関しては、23年3月期は営業部門が好調に推移したことや、十八親和銀行の合併シナジーなどにより、コア業務純益は対前年比+83億円の1059億円となり、過去最高益を更新した。一方で、米国金利の上昇を受けて外債ポートフォリオの再構築に取り組んだため、下期に大幅な売却損を計上し、連結当期純利益は対前年比でマイナス230億円となった。その影響を除くと当初計画(570億円)並みの水準を達成することができた。今期は外債ポートフォリオ再構築の効果が出てくると見込んでおり、本業の利益も順調に推移する計画。
―中期経営計画の進ちょく状況は。
五島 今中計をひとことで言えば「DXを起点としたFFGのビジネスモデルの変革」。7月に福岡銀行の新しい個人向けアプリをリリース、10月には法人向けのポータルサイトをサービスインすると同時に、営業を支えるSFA(セールスフォースオートメーション)を導入する。これらを活用したサービス高度化への取り組みがいよいよ本格化する。
―福岡銀行けやき通り支店と千鳥支店は新たな形態にリニューアルする。
五島 「セルフ&キャッシュレス」をコンセプトとする。窓口での現金取引や地方税統一QRコードによる税金の納付は新型ATMに集約し、口座開設や住所変更といった手続きが簡単にできるWEBサービスコーナーを設ける。デジタルの活用により担当者のコミュニケーションやサービスレベル向上を目指す。
―10月の福岡中央銀行との経営統合に向けた準備状況は。
五島 統合に向けて両者の統合準備委員会や各ワーキングを定期的に開催するなど、順調に進んでいる。システムや店舗を統合する予定はないが、間接部門や本部機能の一部、サブシステムなどを共同化することで業務効率化を図る。