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90億円をかけ熊本県荒尾市に新工場  久留米市の三光    来年9月着工、10年10月操業開始


 工業薬品製造・販売の三光株式会社(久留米市通町、橋本正一社長)は、総投資額90億円をかけ、熊本県荒尾市大島に新工場を建設する。8月21日、同市、熊本県と立地協定を交わした。工場は3期に分けて建設し、1期工事は09年9月着工、10年10月に操業を開始する。
 場所は国道389号沿い、荒尾競馬場北西側の三井鉱山が所有する大島工業用地。敷地面積4万9500平方m。1期工事で建設する工場の規模は、建築面積2000平方m。建屋の構造やレイアウトなどは、これから社内で検討し、準備を進める。名称は三光株式会社有明工場(仮称)。新工場では、テレビや携帯電話、パソコンなど電子機器のプリント基板に使用される難燃(なんねん)剤を生産する。難燃剤は、熱に強く、発火を防ぐ性質を持つ工業薬品。電子機器のプリント基板などに使用されている。同社は、ダイオキシンを発生させない化学物質を使用した製品を開発・生産したため、大手電機メーカーからの需要が増加、新工場建設に踏み切った。計画では、年間30億円ずつ投資し、12年10月までに工場の建築面積を7000平方mまで拡張する。生産計画や出荷予定額は非公表。操業時の従業員数は当初20人で、12年10月までに40人まで増やす方針。
 田中大一郎取締役執行役員は「大手電機メーカーからの需要増に対応するため、新工場建設を決定した。建設にあたっては、北九州(響工業団地)と荒尾に絞って準備を進めてきたが、人材が容易に確保しやすいという点で荒尾に建設することを決定した」と経緯を述べた。
 同社は1946(昭和21)年6月設立。資本金は3億8600万円。従業員数は174人。08年3月期の売上高は415億7900万円。現在、本部機能は大阪市中央区にあり、東京、君津(千葉県)、名古屋、広島、北九州、日向(宮崎県)に営業拠点を置いている。生産工場は、滋賀県守山市と熊本県荒尾市(同市増永)にあり、荒尾工場は、新工場建設地から約4キロ南東に立地し、47年3月から稼働している。