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5G活用した自動運転車いすの実用化を協働検討 久留米工業大学とNTTドコモ九州支社
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将来的には全国展開へ
久留米工業大学(今泉勝己学長)と㈱NTTドコモ九州支社(齋藤武執行役員九州支社長)は、同大学が提供する「対話型AI自動運転車いすパートナーモビリティ」(以下、パートナーモビリティ※1)の自律走行において、5G(第5世代移動通信システム)を活用した「リモート手助け※2」の協働検討に関する覚書を締結した。
久留米工業大学は、国内メーカー各社と連携してパートナーモビリティの開発を進め、2017年から全国各地で実証試験を実施し、自動運転機能は福祉分野向けのモビリティシステムで実現している。しかし、走行通路上の人混みや障害物で自己位置認識が難しい場所やデジタルマップが存在しない場所など、走行する通路の状況によっては自動運転車いすがその場から動けなくなってしまうなどの状況も発生する。また、利用者の急な体調変化などの特別な支援が必要なケースもあることから、今回の協働検討では自動運転が難しい場面や何らかの支援が必要とされる場面において、5Gを活用してリモート手助けの実現を目的としている。
具体的には、5GとドコモオープンイノベーションクラウドⓇを経由したクラウドダイレクト™接続を利用することで、高精細かつ低遅延な映像伝送により遠隔操縦の安全性と信頼性が高まる。加えて、今回「エッジAI対応5Gデバイス」を開発し、AI処理機能を用いることでパートナーモビリティの自動運転を補助する。例えば、通路にある障害物の認識および障害物までの距離を測定する「障害物検知機能」で活用するほか、遠隔地に映像を伝送する際に映り込む人の顔にぼかしを加えた状態で転送する「プライバシー保護機能」の具備なども検討している。 今後のスケジュールとしては、来年3月にドコモ5GオープンラボFUKUOKA(福岡市中央区)で技術検証を実施し、課題抽出や要素技術の改良を図る。2021年度以降はキャナルシティ博多や複数の5Gエリアでフィールド検証を進め、22年度以降は全国の病院や介護施設、ショッピングモールなどでの本格導入をめざす。
※1 音声対話で行き先を相談しながら自動運転で目的地まで案内する先進モビリティで、移動が困難な人が介助者なしで移動できる車いす。
※2 5Gを活用した高精細な映像伝送や遠隔操縦を用いて遠隔地のスタッフが手助けすることにより、介助者なしでも自由に移動できる技術。
2020年11月17日発行