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4億円かけ南区大楠2丁目に学生専用の賃貸マンション 九建 1階は自社で企画運営の岩盤浴施設に


 九州電力グループで送電線設備工事などを手がける株式会社九建(福岡市中央区清川二丁目。丸尾忠社長)は五月、総投資額約四億円を投じ、一階に自社で企画・運営の岩盤浴施設が入居する七階建ての学生専用の賃貸マンションを着工する。来年二月末の完成を予定している。  
  主力の送電線設備工事などの成長性が見込めないことから新規事業を進めている一環。今回は九建グループの九建架線工事株式会社が所有する駐車場の有効活用を図り、西鉄沿線の大学や短大、専門学校の自宅外生をターゲットとした学生専用の賃貸マンションを建設する。また、〇二年一月に筑紫郡那珂川町片縄五丁目にオープンしたスーパー銭湯「湯あみの郷(さと)那珂川」に続く温浴事業として、一階に同社初の岩盤浴施設を設ける。学生専用マンションおよび岩盤浴施設ともに今後の展開を占うモデルケースと位置付けており、両事業合わせて初年度売上高一億円強を見込んでいる。  
  建設地は西鉄平尾駅から南東へ徒歩三分程度の場所で、敷地面積は千四百三十二平方メートル、建築面積は六百三十四平方メートル。建物は七階建てで、延べ床面積は二千五百三十八平方メートル。一階は自社で企画・運営する岩盤浴施設。二階から七階までが学生専用の賃貸マンションとなる。また敷地内には月極駐車場三十一台分を確保する。  
  学生専用マンション事業では同事業大手の株式会社ジェイ・エス・ビー(京都市下京区、岡正人社長)と三月に業務提携し、建設ノウハウの提供を受ける。入居斡旋や管理業務は同社に委託する。戸数は七十戸で全てワンルーム型。二十四時間監視、オール電化、光ケーブルなど、「最新の設備の導入で安心・安全をウリにする」(藤田哲郎理事企画部長)という。家賃は、広さや階数などにより異なるが、五万七千円~六万五千円程度を想定している。  
  一方、岩盤浴施設はスーパー銭湯で蓄積した防音、防水、結露対策やサービス面でのノウハウを生かし、自社で企画運営する。施設名はスーパー銭湯の知名度を生かし、また相乗効果を図って、頭に「湯あみの郷」を冠する予定。店舗面積は二百六十四平方メートルで、二十床(二十人対応)を配置。価格は会員が千四百円、一般が千五百円程度を予定している。  
 藤田理事は「湯あみの郷那珂川は会員二万人を突破し、一日平均千人の客数を数え、二年目に黒字に転じることができた。学生専用マンションおよび岩盤浴施設ともスーパー銭湯に続く新規事業に育成したい」と話している。  
  同社は一九五三年七月に九州電気工事(現株式会社九電工)から分離し九州電気建設工事株式会社として設立。九三年八月に現社名に変更。資本金一億円。北九州、福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、広島に支社を、大牟田、佐世保、山口、沖縄に出張所を展開。〇二年一月にスーパー銭湯事業を開始したほか、駐車場の運営管理なども手がける。〇三年三月期売上高は九十八億三千四百万円。〇二年九月に取得したISO9001認証に続き、今年十一月をめどにISO14001認証の取得を目指す。

2004.4.13 発行 週刊経済より