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3月期連結売上高は1・2%減の472億4300万円 高田工業所3月期


週刊経済2022年6月21日発行

化学プラント完工減で

プラント建設の㈱高田工業所(北九州市八幡西区築地町、髙田寿一郎社長)の3月期連結決算は、売上高が前期比1・2%減の472億4300万円、経常利益は同42・7%減の12億6200万円の減収減益だった。当期から「収益基準に関する会計基準」を適用しており、前期比は単純比較となっている(以下同)。
主力である化学プラントの定期修理が少ない年だったことなどで減収、また海外子会社が前期に続いて新型コロナの影響を大きく受けたことなども減益要因となり、連結営業利益は41・1%減の12億円、当期純利益は25・2%減の7億8800万円だった。髙田寿一郎社長は「21年3月期の受注が低調だったことと、昨年4月に導入した定年延長による人件費増も影響した。会計基準を揃えても減収減益だった」と話している。
工事種別の完工高(個別)は、エレクトロニクス関連設備が43・4%増の49億8700万円、石油・天然ガスプラントが49・5%増の26億6600万円と大きく伸びたが、構成比率の高い化学プラントが16・0%減の181億6100万円、製鉄プラントが9・8%減の103億3500万円、電力設備が30・2%減の23億3700万円、社会インフラ設備が7・1%増の8億4000万円、その他が43・8%増の25億2300万円だった。また当期の受注状況は、化学プラントが大型の建設工事受注もあり30・7%増、半導体不足で設備投資が増えているエレクトロニクス関連設備が約2・2倍、電力設備が24・4%増と大幅に伸び、全体の受注高は510億1400万円で前期を29・4%上回った。
今期は増収増益の見込み。髙田社長は「前期末の受注残が前々期よりも60億円ほど増えており、今期は化学プラントの定期修理が多い年でもある。今後は、製鉄、化学、石油など基礎素材産業ではカーボンニュートラル関連の投資がスピードアップし、それに伴う受注も期待できる。また今期からスタートした5カ年の新中期経営計画のテーマに『生産性向上、業務の効率化』を掲げており、大型工事の受注や現場の人員配置適正化などを進めていきたい」と話している。