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3年間で約179億円の資金調達 福岡グロースネクスト


週刊経済2022年8月9日発行

入居企業実績、雇用創出は792人

旧大名小学校跡の官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next(FGN・福岡グロースネクスト、福岡市中央区大名2丁目、池田貴信事務局長)は7月21日、2019年5月31日のリニューアルから3年間の入居企業の実績を発表した。
入居企業数は、22年5月末時点でコワーキングスペースが137社、シェアオフィスが15社、個室のチームルームが13社。これらにスポンサー企業33社を加えた198社が利用している。入居企業が2021年度(21年5月31日から22年5月31日)に調達した資金の総額は約76億円で、リニューアル後3年間の総額は約179億円に達した。また、この3年間で新たに792人(役員、正社員、アルバイト・パート含む)の雇用を創出している。入居企業の21年度の売り上げ増加率の平均は263%に達した。
利用動向では、起業準備中の個人事業主や創業初期の入居者が増えたこと、福岡市外からの拠点進出の場として選ばれていることを背景に、コワーキングスペースの入居が大幅に増加。こうした変化を受けて、今年6月にはコワーキングスペースを増設・リニューアルし、打ち合わせや雑談のための「ソーシャルラウンジ」、全席にモニターを設置した「フォーカスルーム」、集中できる環境のためオンライン会議を禁止する「コンセントレーションルーム」と目的別の区画を設けた。業種別ではコンテンツが最多で、次いで食、人事、マーケティング、通信などが続いている。
池田事務局長は「FGNは創業前後の第1段階のシードステージ、第2段階のアーリーステージのスタートアップに対して支援を進めてきたが、次のステージに引き上げるには資金調達につながる環境が課題と認識している。4月からは有限責任監査法人トーマツと共同で、福岡・九州の創業初期のスタートアップとベンチャーキャピタルや個人投資家のマッチングをめざす招待制のピッチイベント『アンリーシュ』を立ち上げた。さらに規模を拡大し、資金調達を通じたスタートアップの成長を支援することで、企業価値10億円規模のユニコーン企業100社の創出を目指したい」と話している。