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2050年までに「カーボンマイナス」実現へ 九州電力
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週刊経済2021年12月14日発行
30年までに60%削減を
九州電力㈱(福岡市中央区渡辺通、池辺和弘社長)は11月30日、2050年までにグループによる温室効果ガス(GHG)の排出量「実質ゼロ」を目指す「九電グループ カーボンニュートラルビジョン2050」の具体的行動計画を含む「アクションプラン」を発表。さらなる目標として、同年までに削減量が排出量を上回る「カーボンマイナス」を目指す方針を掲げた。
同社は今年4月、政府のカーボンニュートラル宣言を受けてグループのビジョンを策定。再エネ投資を強化する戦略などを打ち出していた。「カーボンマイナス」を大手電力会社が掲げるのは国内で初めて。今回の発表では、2030年までの環境目標や行動計画を取りまとめ、同年までのGHG排出量を60%削減(13年比)に当たる2600万tを目指す中期目標を設定。再エネの主力電源化、海外事業の積極展開、原子力の最大限の活用、火力発電の低炭素化等を推進し、「電源の低・脱炭素化」を進めると同時に、域内の電化率向上を目指す「電化の推進」を通じて地域のカーボンニュートラル推進にも貢献していく方針を示した。
「カーボンマイナス」を達成する上では、再エネやCO2回収などの技術革新が必須とされ、その意味では「達成できる確証がない」目標であることを同社は認めている。池辺社長は本誌1月号インタビューで、「不確定要素が多い中で、リスクを取って目標を打ち出した。堅実で確実な目標ばかり設定してきた当社らしくない決断だが、地域の将来のために、行動を根本から変えていくために、今ここで掲げることが大切だと思った」と話している。