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2026年度までの中期事業計画を策定 九州経済連合会


週刊経済2024年4月3日発行号

新生シリコンアイランド九州の実現など

九州経済連合会(=九経連=倉富純男会長会長)は3月18日、2024年度から26年度までの第2中期事業計画を発表した。
30年までの「将来ビジョン2030」の実現に向け、21年度から23年度までに取り組んできた第1期中期事業計画を踏まえ、第2ステップとしての事業計画として策定した。テーマは「“九州から日本を動かす”新たな価値の創出~地域の声を活かした飛躍に向けての挑戦」。重点戦略に2月24日に開所式を終えた台湾の世界的半導体受託生産最大手・台湾電路積体製造(TSMC)の熊本進出を受けた「新生シリコンアイランド九州」実現に向けた取り組みを第1項目に盛り込んだほか、GX推進や九州地域の経済・産業活性化による所得・給与向上の取り組み、ジェンダー主流化の取り組み推進など11項目を位置付けている。第2期中期事業計画の初年度にあたる24年度の取り組みでは、半導体関連で台湾企業との協業支援、海外経済交流ミッションの派遣などを計画しているほか、農業の振興では海外でのプロモーション活動、マッチングアプリなどを活用した農業体験者の拡大、鹿児島県での現地調査を通じ「スマート農業支援導入モデル」を3月に策定、同モデルを活用し中山間地の営農支援などを展開する。また、九州の官民広域連携としての取り組みとして、地域公共交通ネットワークの維持および観光活性化を目的とした九州MaaSのサービス開始を目指す。そのほか、DXを活用した防災、減災の広域連携も進めていく方針。
第176回理事会終了後、会見した倉富会長は「“新生シリコンアイランド九州”の九州を重点戦略の1丁目1番地としたことで、九州における新たな成長産業としていきたい」と述べたほか、所得・給与の向上についても「半導体をはじめとする成長に加え、中小企業の賃上げにつながるよう経済四団体 でパートナーシップ構築宣言を締結しており、会員企業への参画を広く呼び掛けていきたい。成長と分配の好循環を九州で作り上げたい」と構造的な賃上げ実現に向け、経済界としても意欲的に取り組むことを強調した。