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2年ぶりに新規上場、さらなる福証活性化へ 福岡証券取引所・長理事長


週刊経済2021年12月28日発行

4月から3ヵ年の新中期計画

福岡証券取引所(長 宣也理事長)は、新年の抱負について「コロナ禍での市場取引となったが、2年ぶりに新規上場となった。さらなる福証活性化に向けた活動を展開していきたい」と語った。主なやり取りは次の通り。
―2021年を振り返って。
 コロナ禍の第5波が始まった7月に理事長に就任したが、市場取引が停止しないことを最優先課題とし、取引所全体で感染拡大防止に全力で取り組んできた。まん延防止措置や緊急事態宣言が続いた上半期は、新規上場のための営業活動をリモート面談併用で行ってきたが、10月以降は九州各県、沖縄、山口、広島、東京方面の企業訪問活動を再開している。IRフェアについてもリモート開催に繰り替え、延べ25社に参加いただいている。前年は見送った九州IPO挑戦隊も13期生として新たに4社が入会し、活動が再開している。この1年を振り返ると企業への支援活動が回復し、正常化しつつある。
―株式市場の推移について。
 21年の日経平均株価は2万7千円台でスタートし、年初来の最高値は9月14日に3万670円10銭を付け、1990年8月以来の3万円台となるなど一時期は堅調に推移した。世界的な低金利の影響で株式に資金が流入したことや、ポストコロナへの期待などが要因との意見もある。一方、売買代金では、国内の大半を占める東証一部・二部は堅調のようだが、マザーズなどの他市場や福岡を含む地方証券取引所は低調に推移している状況だ。
―21年は新規上場もあった。
 9月2日にメディア総研㈱(福岡市中央区大名2丁目、田中浩二社長)、同13日に㈱Geolocation Technology(静岡県三島市、山本敬介社長)、11月1日に㈱フロンティア(同市中央区天神2丁目、山田紀之社長)の3社が上場した。福証にとっては2年ぶりの新規上場。これまでの努力が実を結んだ結果と言える。
―新年の抱負は。
 22年は壬寅(みずのえとら)。厳しい冬を超え、芽吹き始め、成長の礎となる年といわれている。2年続いたコロナ禍の状況を表しているのではないか。将来の成長につながる1年にしたい。4月から3ヵ年の新しい中期経営計画がスタートする。従来からの支援活動をさらに強化し、地域経済の活性化に貢献できるよう福証のさらなる機能強化に取り組んでいきたい。