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12月の倒産件数は前年同月比75%増 帝国データバンク


2カ月連続で増加

調査会社の帝国データバンク福岡支店(福岡市中央区舞鶴)調べによる福岡県の12月の企業倒産件数は、前年同月比75・0%増(15件増)の35件と、2カ月連続で前年から増加した。負債総額は同165・8増の38億3300万円で、2カ月連続で増加。負債5億円以上の倒産が3カ月ぶりに発生したほか、負債1億円以上の倒産が11カ月ぶりに2桁発生(11件)したことで負債総額を押し上げた。
業種別では、サービス業(11件、構成比31・4%)が3カ月ぶりに最多。卸売業(8件、同22・9%)、建設業(6件、同17・1%)が続いた。前年同月との比較では、卸売業(前年同月比7件増、同700・0%増)やサービス業(同8件増、同266・7%増)で増加した一方、製造業(同1件減、同50・0%減)や小売業(同1件減、同16・7%減)で減少した。
地域別では、福岡地区が前年同月比50・0%増の18件、北九州・筑豊地区が同100・0%増の12件、筑後地区が同150・0%増の5件と、全ての地域で増加した。

19年は年間で29%増の346件

また、福岡県下における2019年(1月~12月)の年間倒産件数は前年比29・6%増(79件増)の346件で2年連続の前年比増加となり、倒産は増加基調へと転じている。
帝国データバンク福岡支店によると、「今後は金融機関の中小企業向け融資スタンスに変化が生じる可能性が高い」と見る。これまで金融機関は信用力の低いミドルリスク先企業にも積極的に融資を行ってきたうえ、業績悪化企業の返済条件緩和要請にも柔軟に対応し、倒産は低水準で推移してきた。しかしながら、九州地区の各行で貸倒引当金などの与信費用を積み増す動きが加速しており、融資厳格化の動きが見られつつある。また、日韓関係悪化による訪日観光客減少や米中貿易摩擦の長期化による影響は製造業にもおよび始めているほか、米国とイランの対立による中東情勢緊迫化など地政学的リスクの高まりから先行き不透明感は濃くなっており、倒産は引き続き増加していく可能性が高いという。

2020年2月11日発行