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12年の実績に市民の支持、現職高島氏が4選 福岡市長選


週刊経済2022年11月29日発行

子育て支援の拡充強調、組織再編へ

任期満了に伴う福岡市長選挙が11月20日に投開票され、現職の高島宗一郎氏が、大差で4選を果たした。
得票数は約33万票で次点の田中慎介候補との得票差は20万票以上。投票率は過去最低だった前回から2・89ポイント上昇し、34・31%だった。今回の市長選では高島氏に加え、新人で元福岡市議の田中慎介候補、会社員の熊丸栄治氏の3人が立候補。高島氏は、公示直前の10月中頃まで立候補の表明がなく、出馬の行方が注視されてきた経緯がある。
高島氏は当確後、数多くの規制緩和や民間活力による大型開発などを実現した3期12年の実績について、「今回の選挙で市民の皆様の信任を得ることができた」と手応えを語り、「遊説初日は新型コロナへの対応など、私に対する印象がどのように変わっているのか掴めず、不安もあった。ただ、初日から積極的に声援を送っていただいた市民の方々の反応を見て、自信を取り戻した」と選挙戦を振り返った。また4期目の目標について、「福岡から日本全国へと希望を届けていくことが、4期目を迎える私の役割だと感じている」と使命感を滲ませた。選挙中の演説では、数多くの支援者への感謝から涙を見せることもあった。
市政4期目の戦略について、10年ぶりの改定となる新総合計画の策定に着手するほか、公約に掲げた子育て支援の充実に向け、今年度中に組織を再編すると明言。都心部のオフィスビル開発を見据えた企業誘致にも力を注ぐ姿勢を見せた。また投開票翌日には一部メディアから「七隈線を福岡空港まで延伸」という報道もあり、交通行政のかじ取りにも注目が集まっている。