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1月~3月の九州のM&A件数が過去最高 レコフデータ調べ
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週刊経済2024年5月8日発行号
半導体関連の事例も増加
M&Aに関するデータを調査している㈱レコフデータ(東京都千代田区神田須田町、吉富優子社長)によると、九州地方の今年1月から3月のM&A件数は79件で、1985年の調査開始以来過去最高件数となった。
中堅・中小企業のM&A仲介を手掛けるM&Aキャピタルパートナーズ㈱(東京都中央区八重洲2丁目、中村悟社長)企業情報部 武富尚紀次長は「九州地方では人口減少と高齢化が進行しており、後継者不在率が55・1%と全国平均(53%)を上回る水準になっているほか、物価高や円安、人材不足など厳しい経営環境の中、単独で安定的な成長戦略を描くことが難しい状況になっていることが背景にある」と分析している。また、熊本のTSMCをはじめ九州で半導体関連の設備投資が相次いでいることを受けて半導体関連企業のM&Aも増加傾向にあるといい、昨年10月には総合商社の兼松㈱(東京都千代田区丸の内2丁目、宮部佳也社長)が半導体製造装置のエンジニアリングサービスを手掛けるジェイエムテクノロジー㈱(福岡市博多区下川端町、市川祐典社長)を子会社化。今年2月には非鉄金属やレアメタル等の製品・原材料輸出入・販売のアルコニックス㈱(東京都千代田区永田町2丁目、手代木洋社長執行役員COO)が半導体製造装置の部品製造などを手掛ける坂本電機製作所(福岡市東区和白3丁目、坂本恒俊社長)を子会社化した。同社が支援を手掛けた案件では、医療機器や計測機器・情報通信機器分野でのメンテナンス事業を手掛ける京西テクノス㈱(東京都多摩市愛宕4丁目、臼井努社長)が3月、半導体市場への進出を目的に、半導体製造機器や検査機器、理化学機器などの開発・製造を手掛ける㈱TCK(福岡市東区二又瀬、小坂光二社長)を子会社化した事例がある。
武富次長は「九州では事業承継のニーズが高いことに加え、成長志向型のM&Aも増加傾向にあり、40代~50代や若手経営者からの相談も増えている。全国規模のネットワークを活用し、企業に合った提案をしていきたい」と話している。