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飯塚市の第二九州工場新棟が着工 大阪市の沢井製薬


週刊経済2022年8月30日発行

固形剤生産能力は年間20億錠

医薬品製造販売の沢井製薬㈱(大阪市淀川区、澤井健造社長)は8月23日、飯塚市平恒の第二九州工場に建設する新固形剤棟の起工式を開いた。
同社は飯塚市内で九州工場(同市潤野)、第二九州工場を運営。固形剤(錠剤)のさらなる生産能力増強で、昨今のジェネリック医薬品業界での需要増加、今後の市場拡大に対応する。新棟の敷地面積は2万6304㎡。建物は7階建て、延べ床面積2万9446㎡で、約600台収容の立体駐車場を併設する。9月に着工し、2023年12月完成予定で、同年10月から医薬品製造所の構造設備や工程、品質管理などを検証する「バリデーション」を経て、24年1月から稼働開始、同年4月の出荷開始を目指す。新棟建設によって、現在九州第二工場が有する年間25億錠の生産能力に対し、まずステップ1として24年度に20億錠を追加、その後の市場動向や新製品開発状況などを勘案しながら設備増強や増員を進め、ステップ2で10億錠を追加する予定。ステップ1の投資予定額は約350億円、ステップ2では約55億円を想定している。新規雇用予定人数は、20億錠生産の段階で330人、ステップ2ではさらに160人を雇用し490人体制とする。通常は工場の設計から出荷開始まで約3年3カ月を要するが、今回は計画を前倒しし、2年7カ月での出荷開始を目指す。
澤井社長は「当社は、まだジェネリック医薬品の知名度が低かった1981年に飯塚市に九州工場を建設し、以降改修・増築を繰り返しながら、約40年にわたり供給を続けてきた。今や世の中に不可欠な存在となったジェネリック医薬品を、飯塚から全国に供給し続けていきたい」とあいさつした。起工式に出席した江口勝副知事は「県内の産業や経済が新型コロナの影響を受ける中、新棟建設による地域経済活性化にも期待している。飯塚市とともに、全力で支援していく」、片峯誠飯塚市長は「沢井製薬の『教科書にはない世界を創る。』という採用コンセプトは、本市が進めるキャリア教育の方針にも合致する。設備投資に伴い継続的に多くの雇用が見込まれ、若者の地元定着にも期待したい。本市としても、従業員の皆さんに住み続けていただけるような、魅力あるまちづくりに力を注ぐ」と話した。