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食品リサイクル発電工場の残渣が肥料として農水省登録 福岡バイオフードリサイクル


週刊経済2025年2月26日発行号

近隣農家で試験利用中

JFEグループで食品リサイクル・バイオガス発電事業、福岡バイオフードリサイクル㈱(福岡市博多区博多駅東、中川浩臣社長)の工場(同市西区太郎丸)で出る汚泥が、昨年12月25日に肥料として農林水産省の登録を受けた。

登録を受けたのは液体肥料と固形肥料の2件で、微生物を使って食品廃棄物等を発酵し、発電の燃料となるバイオガスを発生させた残渣物(消化液)を液肥、消化液を脱水した汚泥を固形肥料とする。液肥を「ふくのしずく」、固形肥料を「ふくのみのり」と名付け、現在商品化に向けて近隣農家などで試験利用しており、工場の稼働が計画値で推移した場合、液肥は約200トン/日、固形肥料は約20トン/日の量に上るという。

同社はJFEグループのJ&T環境㈱(川崎市)の子会社。J&T環境では同社を含め全国6カ所で食品リサイクル事業を展開しており、横浜市、千葉市、仙台市、愛知県小牧市では同様に残渣の肥料化を進めている。中川社長は「最終的には残渣をすべて肥料として活用し、再エネ電力とともにダブルリサイクルループの形成を目指す」と話している。

 

 福岡市外から事業系一般廃棄物受入が可能に

また同社は1月30日、農水省、経済産業省、環境省から再生利用事業登録を受けた。

従来、同社工場で受け入れることができる事業系一般廃棄物は福岡市内からのみだったが、同登録によって福岡市以外からの受け入れも可能となった。中川社長は「隣接する糸島市を始め、福岡市周辺市町からの受け入れを拡大していきたい」と話している