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陸上養殖設備の開発・実証実験を開始 リックス


週刊経済2023年10月17日発行号

食料・環境問題を背景に

機械商社のリックス㈱(福岡市博多区山王1丁目、安井卓社長)は10月4日、陸上養殖設備の開発・実証実験を開始したことを発表した。
近年の漁獲量減少や海面での養殖による環境負荷、赤潮発生による魚の大量死など環境や食料の社会問題解決に向けた取り組み。同社グループ内で海水に強いFRPポンプやポンプを制御するインバーター、フィルターなどを取り扱っていることを生かす。特徴として、完全閉鎖循環式陸上養殖設備で1年ごとの換水により人口海水の使用量を大幅に削減することや、魚の糞や餌の食べ残しは酵素分解で処理し廃棄物を低減すること、自然災害の影響を受けず安定して操業できること、加熱処理した配合飼料を用い安心安全な魚の育成を可能とすることを備えた設備の実現に取り組む。実証実験は糟屋郡須恵町の福岡事業所で実施。対象とする魚はマサバ、真鯛、サーモン、カワハギなど。
同社では「廃棄物を出さない、出来るだけ換水をしない、また自動化や遠隔監視、省エネ、体積当たりの魚を多く飼育することができる、設備投資費用を安く抑えることが可能であるなどを目指し、試験を重ねている。まずは安定して元気な魚を早く成長させ、歩留まりを上げることを重視。これらが備わっていけば、競合と比較した優位性にもつながると考える」と話している。