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長期ビジョン策定、3月に新中計発表へ 西日本鉄道の林田浩一社長
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週刊経済2022年12月27日発行
今期は国際物流好調でV字回復
西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目)の林田浩一社長は、本誌1月号の新年抱負インタビューに応じ、2022年の事業の成果や新年の展望について語った。以下、インタビュー内容を抜粋。
―22年を振り返って。
林田 過去最大の赤字となった20年度から、21年度は黒字転換し、今年度はV字回復が達成できそうな見込みで、安堵している。しかし、鉄道・バスの利用者はコロナ禍前の水準には戻り切れておらず、物価上昇やエネルギー価格高騰などの逆風が吹いている。それを国際物流のマーケットが救っている状況。
―23年3月期中間決算は、営業収益、営業利益、経常利益、四半期純利益がいずれも前回予想を上回った。
林田 国際物流事業で運賃原価が高止まりし、販売価格が増加した。さらに円安が続き、為替差益が増加したことによるもの。
―通期予想も、中間決算を受けて上方修正した。営業収益は前期比16・1%増の4958億円、経常利益が46・9%増の205億円の増収増益の見込み。
林田 5千億円に迫る売り上げは、過去に例がない。営業収益の約半分を国際物流事業が占める見通し。
―新年の事業計画では、4月に「西鉄ホテル クルーム 博多祇園 櫛田神社前」がオープンする。
林田 観光需要回復を見据え、グループ向けの客室も設ける。福岡市地下鉄七隈線の新駅「櫛田神社前駅」そばの好立地を生かし、宿泊だけでなくワーキングスペースや交流・くつろぎの場として、地域コミュニティ形成に貢献したい。
―次年度にスタートする新中期経営計画について。
林田 新中計は3月に公表予定で、まずは前提となる「にしてつグループ まち夢ビジョン2035」を発表した。「濃(こま)やかに、共に、創り支える」をテーマに「居心地よい幸福感あふれる社会」を目指す。実現のための人材・組織戦略、財務・資本戦略など具体的な戦略を示している。
―福岡パルコや新天町、西鉄福岡駅ビルなどの再開発計画も発表された。
林田 関わるのは駅ビルの一部だが、勉強会を重ねてきた。再開発の意向が一致し、年内に大枠を示すことができれば「天神ビッグバンボーナス」の対象になるということで、制度活用を視野に申請した。詳細はこれから固めていく。