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超音波応用の特殊加工装置を発売   岳将    販売価格は1台3,000万円


 精密超音波加工機の設計制作の株式会社岳将(春日市須玖南6丁目、岳義弘社長)は、今秋めどに、超音波応用の自動微細形状加工機「超音波マシニングセンター」を発売する。
 これは、液晶、PDP(プラズマテレビ)、半導体製造装置・光通信機器などに使用される高脆性材料(セラミックス、石英ガラス、サファイアなどの硬くて脆い材料)を特殊加工する装置で、超音波を応用して微細な穴を開け加工する。超音波を応用した加工装置は世界で初めて。回転する主軸内に超音波振電子を組み込んでおり、発信器から40kHzの超音波を発信、毎秒4万回の振動を発生させ、回転力に縦振動を加えることで加工速度が高まる。特に、直径0.1mm以下の微小経深穴加工においては、一般機械に比べて加工速度が2倍以上で、また、超音波で工具が縦に振動して素材の削り粉をふるい落とすため、刃先にかすが付着しにくく工具の寿命が3倍に延びるという。穴開け加工機のサイズは幅157cm、奥行き209cm、高さ237cmで、加工機内にツールストッカー(工具保管場所)を設置し、サイズの違う加工工具を待機させることで、プログラムによる自動交換しながら、サイズ違いの穴・溝・段突き加工することが可能となった。2002年、創造技術開発事業の一環で、九州経済産業局から助成金を受け試作機が完成。4年間、社内テストを繰り返し今回の発売に至った。現在も、試運転を続け自動工具交換による位置や超音波振動の変化を観察しているという。価格は1台3,000万円を設定しており、部品加工業者、セラミックスメーカー、半導体、製造装置メーカーなどに向けて売り出す。
 岳社長は「汎用の工作機械では達成できない高品質や加工速度が可能となった。発売から1年間で5台の販売を目標にしている」と話している。
 同社は1982年4月設立、資本金1,400万円、売上高3億7,000万円(07年1月期)、従業員20人。
 岳社長は八女郡黒木町出身、1947年5月10日生まれの60歳、筑紫工業(現筑紫台)高校卒、趣味は温泉、ドライブ。