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豪雨被害の人吉のクリニックにCLT設置  采建築社


仮設の診療施設に

建築、新築住宅などの㈱采建築社(福岡市早良区野芥4丁目、恵美須健也社長)は7月21日、熊本県人吉市内のクリニックに箱型建築物ユニットを設置し寄贈した。
新事業として多目的利用できる箱型建築物ユニットの新工法「CLT CELL UNIT」の生産を進める中、7月の豪雨被害による球磨川(熊本県南部)氾濫で浸水被害にあった人吉市の「とやまクリニック」に対し維持継続のため、仮設の診療施設として寄贈したもの。敷地内に2棟を設置。1棟は診療施設に、もう1棟はリースとして貸し出し、薬局を再開したという。
CLTはひき板を並べ、繊維方向が直交するよう積層接着した木質系材料で、建築資材として使用されてきた従来の集成材より強度が安定しているため、変形しにくくコンクリートにも匹敵する強度で構造躯体として建物を支えることが可能。断熱性や遮熱、遮音、遮炎といった面で高い機能があるため、同社はこのCLTの利点の活かし、横4・6×高さ3×奥行2・3mの箱型の木製ユニットを基本とし、自由に組み合わせて建築を造る工法を開発した。佐賀県唐津市の工場で10㎡未満の構造体ユニットを組み、現場では基礎の上に据え置き半日で設置を終えたという。
同社では「空間を提供することで復興への一助となれば。これを機に、空間提供による町おこしを企画していきたい」と話している。

2020年9月1日発行