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西鉄久留米駅ビルを改装し24年9月にグランドオープン 西日本鉄道


週刊経済2022年10月4日発行

商業施設を「レイリア久留米」へ改称

西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目、林田浩一社長)は、9月末から西鉄久留米駅ビル(久留米市東町上天神)のリニューアル工事に着手し、24年9月に商業施設「エマックス・クルメ」を「レイリア久留米」に改称しグランドオープンする。
バスセンターと電車駅が併設する西鉄久留米駅は県内有数の交通拠点。電車の天神大牟田線では大規模地震への安全対策として2006年から耐震補強工事を続けており、西鉄久留米駅については2019年から耐震補強工事に着手。今回、久留米駅高架橋耐震補強工事を機に約40年ぶりに改装し、〝行き交う人がちょっと一息つける、街の中のオアシス空間〟をコンセプトに商業施設をリニューアルすることで安全・安心な駅づくりを目指すとともに、駅やバスセンターの利便性を向上させ、さらなる街の活性化や賑わい創出につなげる狙い。
1階のスーパーマーケット「にしてつストア久留米タミー店」(1702㎡)は今年12月から仮設店舗営業に移行し、24年3月にリニューアルオープン予定。同店入口付近には、スーパーと相性の良い食物販、総菜店舗区画を設け、24年9月に新たな食物販・飲食ゾーン(1058㎡〈バックヤード除く〉)としてオープンする。また、バスセンター内店舗を増床し、飲食コーナーのさらなる充実を図るとともに、ファサードの仕様を揃え、店舗東側の壁をガラス面に変更し店舗入口を設けることで、東口広場側を明るくし店舗の魅力向上や駅東側の環境改善を図る。バスセンター南側店舗は来年6月、北側店舗は24年9月にオープン予定。東口広場では、久留米市中心市街地の活性化に取り組む(一社)We Love 久留米協議会と協力してイベントなどを催し、駅周辺の賑わい創出に努める。
2階北側の飲食店街「味のタウン」にフードコート(611㎡、5店舗入居予定、194席)を来年6月めどに新設し、幅広い層の利用を促す。フードコート内には、バスや電車の運行状況を表示するデジタルサイネージを設置し、それらの乗客も待合スペースとして利用してもらうなど、商交連携して利用客の利便性向上を図る。併せて、1階の定期券販売所をバスセンターと電車駅改札の動線上に移設し(事務所面積除き27㎡)、視認性を高める。2階専門店街とフードコートをつなぐ西側通路には、ATMコーナーやピックアップロッカーなどを設置するほか、テイクアウトに特化した店舗を誘致するなど、アフターコロナの消費者ニーズの変化をとらえた駅ならではのサービス機能を拡充する。また、今回のリニューアル工事の内装には国際基準の環境認証を取得したタイルや再生材を用いたタイルを、壁や柱にはモルタル・目地材を使わない接着剤貼りが可能なタイルを使用することで、CO2排出量の削減を図り、環境面に配慮した駅ビルづくりを目指す。
西鉄久留米駅の商業施設「エマックス・クルメ」は1969年3月に開業。建物は地上6階建てで、延べ床面積は1万4521㎡。1階がにしてつストア 久留米タミー店など、2階が専門店街や味のタウン(レストラン)、3階が雑貨館インキューブやシティコンタクトなど、4階がブックセンタークエストで構成するなど、今年9月現在で31店舗が入居。21年度の売上高は約43億円。