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芋焼酎200種類そろえた飲食店をFC展開、10年で20店目標   芋   10月に姪浜と小倉に初のFC店


 「焼酎BAR芋」など芋焼酎200種類を揃えた飲食店を展開する有限会社芋(同市早良区西新1丁目、伊藤隆行社長)は10月に初のフランチャイズチェーン(FC)店を、同早良区姪浜と北九州市小倉北区に相次ぎオープンし、今後10年間で20店舗のFC店の出店を目指す。
 同社は01年7月に「焼酎BAR芋」aを福岡市中央区谷1丁目にオープンしたのを皮切りに、同市内に毎年ほぼ1店舗のペースで出店し現在直営で4店舗を展開している。1号店開店当初から「FC店をさせて欲しいとの打診があった」(伊藤社長)が、体制が整っていなかったことから、断っていた。5年目を迎えて体制が整ってきたことや、直営店における食材などの仕入れコスト削減効果が見込めることなどから、FC事業を本格化する。
 十月にオープンする姪浜と小倉のFC店はオーナーなど詳細を明らかにしていないが、それぞれ別のオーナーが経営。共に芋焼酎を豊富にそろえながらも飲食業態は異なり、姪浜店はBAR&飲食、小倉店はもつ鍋やもつ鉄板をメーン料理にした店を予定している。
 FCのパッケージに関しては今後詰めるが、「基本的に焼酎、食材の納入と暖簾代みたいなもの」(伊藤社長)という。同社では石丸店の厨房をセントラルキッチンとして、毎朝料理を仕込んで各店に送っており、FC展開本格化で、ローコスト・オペレーションの確立も図る。仕込みに伴う人件費のほか、焼酎などの飲料、食材などの仕入れ面のスケールメリットも期待している。
 伊藤社長は「芋焼酎をそろえた「芋」というブランドと、私たちのメニューや店舗づくりのノウハウとセンスを買っていただければ」と話している。
 同社は2001年7月創業、2003年2月設立、資本金300万円。従業員14人。200種類以上という豊富な種類の芋焼酎もさることながら、店舗ごとに趣向を凝らした料理や伊藤社長はじめスタッフ自ら作った内外装など個性を持たせた店舗を展開する。「焼酎BAR芋」のほか、02年10月西区石丸に「炭焼・焼酎 芋」を、04年7月城南区七隈に「焼酎居酒屋 芋 七隈店」を、そして今年6月早良区西新に「プライベートダイニング 芋」をオープン。04年2月期売上高は1億円で、今期は1億4,000万円を見込んでいる。
 伊藤社長は福岡市西区石丸出身。1971年8月27日生まれの34歳。東福岡高校卒。建設会社や先物取引の営業などを経験後、将来の独立を考え、22歳の時に西新の居酒屋「雑貨屋」に入り飲食業へ。30歳直前の2001年7月に念願の1号店「焼酎BAR芋」開店。趣味はゴルフ。

 福岡都心部に直営の大型店出店や西区に新工場を計画

 また同社は来年にも福岡都心部に直営の大型飲食店の出店を計画しているほか、西区に新工場も計画している。
 同社はFC展開のほか、直営で10年間で10店舗の出店を計画しており、これまで比較的住宅地近くの郊外型店舗が主体であったが、都心部への出店で「芋」ブランドの認知度向上を図る。具体的には博多区西中洲もしくは近隣地区に店舗面積330平方m以上の店舗を出店したい意向。
 このほか今後の直営店の展開は福岡市内近郊を中心としながらも、将来的には東京や芋焼酎の産地である鹿児島、熊本などへの出店や、芋焼酎を豊富に扱っていることから「酒屋 芋」の出店も構想している。
 またFC展開に伴いセントラルキッチンが手狭になることが考えられるほか、「もつ鍋」の通信販売を計画していることから、西区に独立した専用工場も計画している。

2005.08.30発行の速報誌『週刊経済』より