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綱屋から「焼肉ヌルボン」など飲食事業を譲受 JR九州


週刊経済2021年8月17日発行

100%出資の受け皿会社も設立

九州旅客鉄道㈱(JR九州、福岡市博多区博多駅前3丁目、青柳俊彦社長)は8月3日、㈱綱屋(同区美野島2丁目、萩原正綱代表取締役会長)から「焼肉ヌルボン」などの飲食店事業、その関連会社㈲ロイヤルフーズ(同所、萩原正綱社長)から精肉・食材卸販売事業を、新設した100%出資子会社が10月1日付(予定)で譲受することを決議した。
今回のM&Aは綱屋側の事業承継の一環。JR九州では、2019年12月に「いかしゅうまい」製造・販売の㈱萬坊(まんぼう、佐賀県唐津市)を子会社化するなど、九州の持続的な発展に貢献できるよう、地場企業の事業承継などに関わってきた。事業を譲受する新会社では、これまで綱屋が築いてきた「焼肉ヌルボン」というブランドに磨きをかけ、九州各県での駅ビルや駅から離れた郊外での店舗展開をはじめ、既存の外食グループ会社との仕入れや商品開発面などの連携で、コロナ後を見据えたグループの外食事業の強化を図る。
8月10日に設立した新会社の名称は「㈱ヌルボン」で、資本金は1千万円。本社は綱屋本社と同所。社長には仲義雄JR九州鉄道事業本部営業部担当部長が就任した(出向)。事業譲受の対象は「焼肉ヌルボン」庵店、那珂川店、大名店、「焼肉ヌルボンガーデン」熊本荒尾店、長住店、春日店、糸島南風台店、空港南店、福重店、唐津和多田店、新宮店、宗像店、「だんらん居酒家HANA」那珂川店、美野島店、「ステーキガーデン風の邱」(糸島市南風台)の計15店舗とロイヤルフーズの食材卸事業(綱屋向けの精肉・食材加工品の卸事業)。ヌルボンガーデン山室大窪店と山鹿店はFC店舗のため、ベトナム・ホーチミン市のステーキハウス「IL CORDA」は綱屋と資本関係がないため対象外となる。
綱屋は1979年2月に個人精肉店として創業し、87年8月に法人化。資本金は1千万円。90年に福岡市南区長丘に焼肉レストラン「晩餐館」(現「焼肉ヌルボン 庵いおり」)をオープン。97年から「焼肉ヌルボン」の名称で店舗を拡大し、九州産和牛一頭買いを強みに現在では焼肉店14店舗(福岡10、佐賀1、熊本3[うちFC2])、焼肉以外の業態として居酒屋やステーキハウスなど3店舗を展開している。