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経営者賞特別賞に伊井田栄吉氏、榎本一彦・一郎両氏 経営者顕彰財団


週刊経済2023年10月11日発行号

第50回の節目を迎え特別表彰

公益財団法人経営者顕彰財団(福岡市博多区博多駅前1丁目、理事長・久保田勇夫㈱西日本FH会長)は、今年第50回の節目を迎えた「経営者賞」の特別賞に人材サービス事業などの㈱ワールドホールディングス(福岡市)の伊井田栄吉会長兼社長、地場大手デベロッパーの福岡地所㈱(同市)の榎本一彦会長、一郎社長(共同受賞)の3氏に決定し、9月22日に福岡市内で表彰した。
同賞では九州・山口において中小企業の経営・技術に優れた業績をおさめ、地域経済の発展に貢献のあった経営者を毎年表彰。今回は第50回の節目を迎えたことを記念して「特別表彰」するもの。
伊井田氏は1956年5月5日生まれの67歳。ワールドホールディングス大森淡水は1993年2月創業・設立。資本金13億2300万円。従業員約3万4千人(連結)。1981年に伊井田氏が北九州市において不動産業で創業後(現・㈱ミクニ)、93年に各種業務の請負業として㈱ワールドインテックを設立。製造業やサービス業の現場への人材派遣・請負業務を軸として拡大・成長し、2005年にはJASDAQ市場上場を実現した。04年の改正労働派遣法の施行に伴い、製造現場への人材派遣が許可されたことに合わせ、当社は日本初となる「請負」と「派遣」を明確に区分した基準書を作成、その内容について福岡県労働局から承認を得た。これにより、全国の人材派遣業界から注目され、以後、同業界をリードする企業の一つとなっている。自社内に人材を保有できる点を強みとし、事業再生も積極的に進め拡大。 現在はグループ企業49社。14年には持株会社化している。「人材教育」「不動産」「情報通信」「農業公園」の4つのビジネス分野を柱として、東証プライム市場上場(2016年東証一部上場)、グループ連結売上高約1800億円の総合複合型企業へと成長している。
榎本一彦氏は1943年9月25日生まれの79歳。榎本一郎氏は一彦氏の長男で1974年8月1日生まれの49歳。福岡地所は1961年7月設立。資本金1億円。従業員176人。キャナルシティ博多の開発をはじめ、自社内に開発部門、賃貸部門、新規事業部門等の幅広い業務領域を展開、グループ会社による商業施設運営事業、ホテル運営事業・ビルメンテナンス事業などを含め、さまざまな顧客ニーズに対し、ワンストップで対応が可能となる新たな不動産ディベロッパーのスタイルを構築した。一彦氏と一郎氏は親子二代で40年以上にわたり、福岡を拠点とする地場総合ディベロッパーの経営者として活動し、現在進行中の天神ビッグバンや博多コネクティッドなどを含め、大型都市開発案件を中核企業としてリードしてきた。その過程で、2005年には日本初の地域特化型REITである福岡リート投資法人を上場させるなど、先進的なビジネスにも取り組んでいる。21年に完成し、自社が保有・管理する天神ビジネスセンターには、外資系企業6社(床面積割合20%)、23年完成の博多FDビジネスセンターには外資系企業4社(床面積割合46%)を誘致。また現在進行中の博多駅前の西日本シティ銀行本店ビル建替(26年1月完成予定)に関しては、デンマークの国際的な建築デザイン事務所である「3XN Architects(スリー エックスエヌ・アーキテクツ)」が国内初となる建物内外装のデザインを手掛けるなど、ビジネスモデルを世界的な範囲に拡大し実践しており、こうした創造的・進歩的な取組みが特筆される。