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経営者賞に藤田以和彦冨士機会長ら3氏 経営者顕彰財団
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週刊経済2022年5月3日・10日発行合併号
19人の候補から選定
公益財団法人経営者顕彰財団(福岡市博多区博多駅前1丁目、理事長・久保田勇夫㈱西日本シティ銀行会長)は、2021年度(第49回)の「経営者賞」に水処理・産業機械・廃棄物処理のシステム設計や電気機械製造などの協和機電工業㈱(長崎市)の坂井俊之取締役相談役、ドラッグストアや調剤薬局を展開する㈱サンキュードラッグ(北九州市門司区)の平野健二社長兼CEO、各種産業機械・プラントの製造・設計・保守、㈱冨士機(福岡市博多区)の藤田以和彦代表取締役会長の3氏に決定し、4月28日に福岡市内で表彰した。
同賞では九州・山口において中小企業の経営・技術に優れた業績をおさめ、地域経済の発展に貢献のあった経営者を毎年表彰。今回は昨年10月末までに推薦を受けた19人の候補から選んだ。各受賞者の主な表彰理由は次の通り。
坂井氏は1943年6月10日生まれの78歳。協和機電工業は1948年6月創業、51年7月設立。資本金5千万円。従業員524人。同社は、「環境創造企業」をキーワードに水処理・電力・交通インフラなどの設備に関する事業を展開し、総合プラントメーカーであるとともにシステム設計から機器製作、建設工事、メンテナンスまでを一貫して提供するエンジニアリング企業。坂井氏は産学官連携による研究開発を推進するとともに、全社的な環境改善運動や社会貢献活動にも取り組みながら、アジア各国における水処理・エネルギー分野など、海外事業への積極的な展開も進め、二代目社長として同社を大きく成長させた。また、2012年から長崎経済同友会の代表幹事を務め、その功績によって20年には恒久幹事に任命されるなど、地域の産業・経済の発展にも大きく貢献している。
平野氏は1959年5月28日生まれの62歳。サンキュードラッグは1956年2月創業、70年7月設立。資本金5千万円。従業員1479人(うちパート 1053人)。同社は、北九州市、下関市を地盤にドラッグストアと調剤薬局を展開。北九州とその周辺に特化して集中的に出店し、地元密着型の経営を進めることで、大手ドラッグストアチェーンとの差別化に成功している。 平野氏は二代目社長に就任後、自社ドラッグストアのID‐POSデータや調剤薬局の薬歴データを活用しCRMの実践に取り組むなど、経営の近代化・効率化を図り、業容を大きく発展させた。さらに、自社で導入したこれらのデータシステムをベースとして、全国33のローカル薬局チェーンを組織化するなど、業界の維持・発展にも寄与。また、長年にわたり地域住民の安心・安全で利便性の高い医療・健康環境の構築に注力している。 藤田氏は1943年12月5日生まれの78歳。冨士機は1947年10月創業、72年9月設立。資本金5千万円。従業員93人。1998年に、地下鉄などの建設現場から排出される高含水の汚泥などを現場で改良土に改質し、再利用する「中性化固化改良工法」を開発。2005年には東京に進出し、東京メトロの建設工事に同工法が採用されるなど、全国の建設浚渫現場で不可欠な存在となっている。藤田氏は半世紀以上にわたり技術開発に取り組み、卓越した探求心と技術開発力で同社の現在の業容を築き、関東・関西などの大型建設現場の工事を受注。また、環境問題の解決にも積極的で、約3年をかけて昨年、太宰府市に次世代型生コン工場を建設。同工場は建屋内に全ての設備・機器を内蔵し、建設現場で未使用となった生コンを再生することでゼロエミッションを達成したほか、JISの国内認定工場第1号となるなど、SDGsの観点からも社会貢献度の高い活動に取り組んでいる。