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約235億円をかけ福大病院新本館を建設 福岡大学


週刊経済2021年11月16日発行

地下1階地上12階建て、23年12月供用開始

学校法人福岡大学(福岡市城南区七隈8丁目、貫正義理事長)は、福岡大学病院(同区七隈7丁目、岩﨑昭憲病院長)の新本館建設を始めた。総工費は約235億円、設備費は80~100億円、供用開始予定は2023年12月。
1973(昭和48)年に開設した福岡大学病院本館が築後約50年経ち、配管や耐震性など老朽化が進んだことから建て替えるもので、昨今の新型コロナウイルス感染症等の新興・再興感染症に対応できる施設整備をはじめ、先駆的医療を提供できる高度医療施設、AIやIoTの活用などを目指す。新本館は地下1階地上12階建て、新診療棟の南側に隣接して建設し、新診療棟とは地下1~地上4階で接続する。建築面積は6301㎡、延べ床面積は5万1302㎡。病床数は618床で、新診療棟(153床)と合わせて771床となる。また、手術室はこれまでの14室から20室に、GICU(総合集中治療室)は4室から10室に、EICU(救急集中治療室)は10室から12室に増えるほか、重症の救急患者や術後患者を治療するためのICUベッドを30床備えるなど救命救急医療体制の充実を図る。このほか、屋上にはドクターヘリや消防ヘリ等の中型ヘリコプターが離着陸できるヘリポートを設け、広域かつスピーディーな患者受け入れが可能となる。
新本館の供用開始後は新診療棟のMFICU(母体・胎児集中治療室)跡地接続や新診療棟リニューアル工事を進めるともに、現本館と研修センターA棟・B棟を解体し、跡地活用を本格化していく。福岡大学では「人口動態を見据え、3大疾患(がん・心疾患・脳血管疾患)を中心とした診療体制の強化、救急医療・災害拠点病院としての機能強化を図り、地域に根差した医療の中核拠点にしたい」と話している。
福岡大学病院は1972年の医学部設置に伴い、翌年8月に開院。現在は本館、救命救急センター棟、西別館、研修センターA棟・B棟、情報管理棟、新診療棟からなり、職員数は1956人。許可病床915床。外来患者は年間約35万人(2019年度)、手術例数も年間8500例(同)を超える。2005年2月には福岡市営地下鉄3号線(七隈線)が開通し、市中心部からのアクセスが格段に向上した。