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米国Oishii社と資本業務提携 安川電機


週刊経済2023年6月13日発行号

植物工場の完全自動化を実現

モーションコントロール・ロボット開発、システムエンジニアリングなどを手掛ける㈱安川電機(北九州市八幡西区黒崎城石、小川昌寛社長)は5月30日、アメリカを拠点に世界最大のイチゴ植物工場を運営するOishii Farm Corporetion(米国ニュージャージー州、古賀大貴CEO:以下、Oishii社)と植物工場の完全自動化に向けた資本業務提携を結んだことを明らかにした。
これは植物工場における自動化の最適化と生産量の拡大を図るOishii社と産業用ロボット分野で世界的実績の高い安川電機の最先端技術を融合することで新たな自動化ソリューションを開発する狙いが合致したもの。Oishii社は2022年5月に7万4千㎡以上の広さを持つ世界最大のイチゴ植物工場「Mugen Farm」をオープン。同社はこれまで日本の種苗や農業技術を活用し、少ない資源で農薬を使わず、通年でイチゴを量産できる技術を開発している。22年6月には植物工場の大規模化によって生産したイチゴ価格を適正化。それまでミュシュラン星つきレストランなど一部の取り扱いから、アメリカの大手高級スーパー「ホールフーズ」で販売するまでに至っているという。
今回の資本業務提携では、Oishii社が今後建設予定の工場で行う全行程(播種、育苗~収穫・検査~箱詰め・出荷)の自動化に伴い、安川電機の産業用ロボットを導入する計画があり、農作業全プロセスの完全自動化および生産コストの削減、食の安定供給の実現を目指す。同社では「安川電機の最先端技術とOishii社がこれまで開発してきた独自の作物管理アルゴリズム、環境制御、エネルギーのモニタリングシステムなどのノウハウが組み合わさることで、作物やエネルギー、水の無駄を削減することができ、これまで以上にサステナブルで効率的な新しい農業の未来を実現することができる」と話している。