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米国テキサス州北部で賃貸アパートを開発 西日本鉄道


週刊経済2023年10月31日発行号

約4・4haの敷地に計261戸供給

西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目、林田浩一社長)は米国の住宅デベロッパー、アルパイン・スタート・デベロップメント社(ASD社、テキサス州ダラス市)と共同で事業運営会社を設立し、総事業費約87億円を投じてテキサス州サギナウ市で約4・4haの敷地に賃貸アパート計261戸を開発するプロジェクトに10月から着手した。完成は2025年5月を予定。
これは今年度スタートした第16次中期経営計画の重点戦略として、海外不動産事業の収益拡大を推進する一環。米国内で西鉄と現地住宅デベロッパーの2社のみで共同開発するのは今回が初めて。サギナウ市は同州の北部に位置し、人口が直近10年間で約3割増(増加率全米1位)と人口増加の著しいフォートワース市に近接し、全米でも有数の住宅需要が見込まれるエリア。開発地はフォートワース市の中心地域から北に約16㎞、車で約25分の距離に位置し、主要高速道路へのアクセスも良く、フォートワース市やその周辺都市への通勤の利便性が高い。周辺にはスーパーや飲食店などの商業施設が徒歩圏内に位置し、今後もベッドタウンとして賃貸需要は高い水準を維持する見込みという。
同プロジェクトでは木造3階建ての住宅棟8棟と木造平屋建てのクラブハウス棟1棟からなるガーデンタイプの賃貸アパートを開発。計261戸の内訳は1ベッドルーム(BR)が150戸、2BRが96戸、3BRが15戸で、単身者や若い夫婦などを主なターゲットとしている。共用部にはフィットネスジムやラウンジ、ワーキングスペースを備えたクラブハウスや屋外プール・中庭、テニスコートを設けるなど、より快適な居住空間を提供していく。
西鉄の海外不動産事業は現在、ベトナム、インドネシア、米国、タイ、フィリピンの5カ国で展開。経済成長が著しい東南アジアでは住宅開発を進め、持続的な住宅需要が見込まれる米国では収益不動産開発を進めている。今後も海外でのさらなる事業展開を目指すとともに、そのノウハウの蓄積を進め、収益基盤の拡大を図る。