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第二九州工場新固形剤棟が完成 沢井製薬


週刊経済2024年8月14・21日発行号

総投資額450億円、初年度は3億錠を製造

沢井製薬㈱(大阪市淀川区、木村元彦社長)は8月1日、第二九州工場(飯塚市平恒)で建設していた新固形剤棟の竣工(しゅんこう)式を開いた。
同社は飯塚市内で九州工場(同市潤野)、第二九州工場を稼働。既存棟の老朽化などを背景に、2022年9月から第二九州工場で新棟の建設を進めていた。新棟は7階建ての工場棟・6階建ての品質管理棟で構成し、延べ床面積は3万597㎡。国内ジェネリック医薬品工場としては最大級の規模で、錠剤やカプセルの医薬品を製造する。総投資額は450億円。今年6月に建物が完成し、設備稼働の確認を終え、試作を進めているという。9月以降に出荷用製品の製造を計画しており、12月の出荷開始を目指す。建物内には、製造室と倉庫をクレーン2基で直結させるシステムを採用した。関東工場では1台を呼び出すのに5分を要していたが、今回の新固形剤棟では95秒と大幅に短縮し、搬送効率を高める。工場はGMP基準を遵守するほか、品質管理ではMES(製造実行システム)、LIMS(品質管理システム・ラボラトリー情報管理システム)を導入し、信頼性の向上に取り組む。新棟での今年度の生産計画は3億錠で、生産能力は20億錠。今後も設備投資を進め、2027年には年間35億錠の生産能力確保を目指す。人員は今年度250人の雇用を計画。25年度から330人体制、生産能力を増強する27年には490人体制に拡大することを計画している。
竣工式で木村社長は「医薬品の供給不足でジェネリック医薬品への需要が高まる中、1日も早く多くの製品をお届けし、患者さんや医療関係者の皆さんのお役に立てるよう努力を重ねていく」と話した。式典に出席した江口勝副知事は「新棟の建設によって、飯塚市をはじめ地域に新たな雇用が創出され、地域経済の活性化に大いに貢献していただくことを期待している。事業活動が円滑に進むよう、地元飯塚市と一体となって支援していきたい」、武井政一飯塚市長は「企業の皆さんに事業活動の場として選んでいただき、従業員の皆さんに住む場所として選んでいただくことが、飯塚市の持続的な発展につながる。引き続き、雇用促進などで支援するとともに、利便性と豊かさを兼ね備えたまちづくりを進めていく」とあいさつした。