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竹利用のバイオマス温水ボイラを共同開発 エム・アイ・エス


バーナー部分の技術を提供

バイオマスバーナー製造などの㈱エム・アイ・エス(福岡市西区今津、中村康行社長)は、総合エネルギーソリューション事業のテス・エンジニアリング㈱(大阪市淀川区、髙崎敏宏社長)とバイオマスボイラ製造販売の㈱巴商会(東京都千代田区、山崎純大社長)の3社共同で国産竹チップを利用した混焼バイオマス温水ボイラを開発した。1月27日から販売しており、販売元はテス・エンジニアリング㈱。
無圧式温水発生機で製品名は「E–NE(イーネ)シリーズ」。放置竹林の増加により深刻化している竹害の解決手段として竹をエネルギー源に活用するもの。竹は塩素とカリウムを含むことでこれまでエネルギーとしての有効活用が困難とされてきた。特にカリウムにより燃焼時にクリンカ(竹をボイラで燃焼させた際に灰が溶け融合することでできる塊)が発生することで燃焼阻害や炉内損傷を起こすことが課題だったが、独自の回転式ガス化旋回燃焼方式バーナー採用と、クリンカを速やかに除去する自動排出機能で炉内蓄積を防止し、竹チップの安定燃焼が可能になった。本体は幅1・81メートル、高さ2・3メートル、奥行き5・94メートル。今回の開発にあたり㈱エム・アイ・エスはクリンカ発生を抑制する温度での燃焼技術や、発生しても燃焼への支障を防ぐバーナー部分で技術を提供している。事業開発費は非公表。販売価格は約4000万円。販売先は自治体や民間企業を想定している。
同社は「放置竹林に悩みを抱える地域の方に利用してもらうことでエネルギー自給率と再生可能エネルギーの普及を促進し、持続可能な社会の実現に貢献していきたい。5年以内に100台の販売を目指す」と話している。
同社は2007年6月設立。資本金950万円。売上高4億8000万円(2019年5月期)。従業員数15人。

2020年2月18日発行