NEWS

竹下駅前に169戸の分譲マンション クレ・コーポレーション


週刊経済2022年3月22日発行

5年前に用地取得

地場不動産デベロッパーの㈱クレ・コーポレーション(福岡市中央区天神、榑林大平社長)はJR竹下駅(同市博多区)前に、総戸数169戸の分譲マンション「アクタス博多グランミライ」を開発する。竣工予定は2023年5月。
場所は竹下駅前から徒歩4分の雇用促進住宅跡地で、4月に開業する市青果市場跡地の大型商業施設「ららぽーと福岡」からは徒歩12分ほどの距離。敷地面積は5391㎡、3棟構成で建築延べ床面積は1万2754㎡。2LDKから4LDKまで、29タイプの間取りを揃えた。同社の設立30周年記念住宅と位置付けており、キャノピーのある車寄せを配したエントランスやキッチン付きコミュニティスペース、EV充電設備といった共用部の充実度や、全戸にキッチンディスポーザーを備えるなど住戸の仕様にもこだわり、グレードの高さを強調した。
最大の特徴は価格面で、マンション価格の高騰が続く中、駅近で注目の商業施設に近接する人気エリアにも関わらず、最多販売価格帯は4千万円前後に設定しており、5千万円を超えることも珍しくない昨今の相場観から見ればかなり割安。これは、用地取得時期が青果市場跡地の計画が固まる前の約5年前であることに加え、解体予定となった雇用促進住宅(3棟)にも入居者がいて、最大で10年は開発に着手できないという制約があったため、入札で当時の相場感よりも用地取得価格を抑えることができたという。今回、そのうちの1棟の入居者がいなくなったため開発に踏み切り、昨今マンション開発が相次ぐ人気エリアながら、用地取得価格の優位性を生かし、今日の相場に比して安価な価格で販売できる優位性につながった。
すでに昨年から販売がスタートしており、第一期分譲の際は55戸が即日完売。申込件数は約170件で希望者が複数集まった部屋は公開抽選となり、平均倍率3・2倍、最高倍率の部屋では11倍に達した。同社は「青果市場跡地周辺エリアは不動産開発過熱しており、もっと価格帯を上げることもできたが、30周年記念住宅として、当社がこれまでメーンに供給してきたお客さま層に喜ばれる、インパクトの強いマンションを目指した」と話している。