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空室率は2・2ポイント上昇し4・6%に 東京都のCBRE調べ


週刊経済2023年7月11日発行号

福岡主要オフィスゾーンの空室率

2023年3月期の福岡主要オフィスゾーン(延べ床面積が3300㎡以上で新耐震基準に準拠したビル)の空室率は、前期(2022年12月期)から2・2ポイント上昇し4・6%となった。
事業用総合不動産サービス・シービーアールイー㈱(東京都港区)の調べによるもの。要因として博多区を中心に複数の新築オフィスビルの供給があり、それらが募集空室を抱えたまま竣工を迎えたことが挙げられる。一方で、同社では「空室率こそ上昇したものの、築年数が経過した老朽化ビルからの移転事例や、採用強化を目的に郊外立地から市内中心部へ移転するポジティブな事例など、成約事例を帰納法的に見ると、依然として福岡のオフィスマーケットは底堅く推移している」と分析している。
想定成約賃料(共益費込)は、対前期比0・1%低下の1万6030円/坪となった。「今後も主要オフィスエリアにおける新規供給が続々と控える中、新築・既存ビルを問わず、募集空室の早期消化へ向けて賃貸条件の緩和を検討するオーナーが少しずつ増えてきている」としている。
福岡市主導の再開発プロジェクト「天神ビッグバン」により、天神地区にはこれまでにない好立地、かつハイグレードなビルの供給が予定されている。メディアへの露出機会の多さからも、エリアに対する期待値や注目度は高い。ただ、新規の開発計画は中央区に限らず、今後数年かけて博多区でも控えている。「相対的に旧耐震基準を含む古い物件が多い福岡では、移転を検討する企業にとって、新築ビルへ移転する場合に月額賃料の大幅なアップが避けられない。そのため、物件選定には慎重なテナントも多い」と見ている。