NEWS

福銀と連携しFuに約1・3億円の協調融資 日本公庫福岡支店


週刊経済2022年7月26日発行

輸出向け加工場建設に伴い

㈱日本政策金融公庫福岡支店(福岡市博多区博多駅前3丁目、浜晋治支店長:以下、日本公庫)農林水産事業は7月1日、㈱福岡銀行と協調し、フグ・ウナギの加工卸売、輸出事業を手掛ける㈱Fu(ふぅ:北九州市門司区、古川幸弘社長)に協調融資を行った。
国産フグについては、これまで海外国・地域によってさまざまな輸出入規制があったが、今回、シンガポールでの輸入規制が緩和される見通しとなったため、同社では輸出に求められる衛生管理基準に対応した加工場の整備を計画。同計画が農林水産省の「食品農業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業」に採択された。加工場建設にあたっては山口県の「輸出HACCP補助事業」を活用し、福岡銀行門司支店と日本公庫福岡支店農林水産事業が協調融資支援を実施したもの。融資金額の内訳は福岡銀行が4900万円、日本公庫が7940万円の計1億2840万円。
工場所在地は山口県下関市彦島西山町の「南風泊(はえどまり)水産加工団地」内。敷地面積は750㎡、建築面積266・8㎡の平屋建て。工場内は対米HACCP仕様で、今年6月に完成。現在、工場スタッフ6人体制で稼働しており、フグについてはシンガポールおよびマレーシア現地の日本食レストラン向けに輸出を計画。ウナギについては主に香港現地の日本食レストラン向け輸出を計画している。今後、工場スタッフを10人規模まで増員する方針。
日本公庫福岡支店農林水産事業では「加工場のある下関市南風泊港は全国有数のふぐ水揚げ基地。国内向け流通量が頭打ちとなる中、輸出に活路を見出したことで、地域振興にも期待が寄せられている」と話している。