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福岡銀行と協調しアトムに3億円を融資    商工中金福岡支店 シンガポール現地法人の設立資金に


 商工中金福岡支店(福岡市中央区天神1丁目、佐々木渉支店長)はこのほど、「グローバルニッチトップ支援貸付制度」を適用し、食肉加工業のアトム株式会社(福岡市東区松島5丁目、花田利喜社長)に3億円を融資した。
 同制度は、特定分野に優れた中小企業などの海外進出を支援するため、商工中金が期間10年一括償還・成功利払いの長期資金を供給することで融資先の事業リスクを軽減しつつ、民間金融機関と協調して融資に取り組むもの。福岡銀行と協調して、シンガポールでの現地法人設立に必要な資金を融資した。
 アトムは1985年11月設立。資本金6300万円。従業員280人。とんかつ、焼肉、居酒屋などの外食企業向けに食肉や熱加工食材を供給しており、福岡市内の本社工場のほか、アメリカ、台湾、タイに生産拠点を構え、アメリカでは和牛の肥育も手掛けている。今回、同社は日系外食企業の海外進出を後押ししていくため、クールジャパン機構との共同出資(各3億円)により海外事業を統括する現地法人をシンガポールに設立するとともに、台湾と中国に食材加工工場を増新設して、台湾・中国で展開する日系外食企業向けの食材加工事業を強化する事業計画を策定。2018年初めには現地工場を稼働させ、供給先は現在の50店舗から今後5年間で200店舗まで増やしていくという。商工中金は「海外での食材供給拠点の整備を通じて日本食文化の海外普及に貢献するものと高く評価した」と話している。