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福岡地所と協業、ホテルの空き部屋利活用を促進  tsumug


多様な働き方に応じたオフィス空間を提供

電子錠「コネクティッド・ロック TiNK」の開発や、空き家、空室、遊休空間を利活用する空間SaaSなどを展開する㈱tsumug(ツムグ、福岡市中央区大名2丁目、牧田恵里社長)は5月29日、地場デベロッパー㈱福岡地所(同市博多区住吉1丁目、榎本一郎社長)との協業をスタートした。
福岡地所が所有するホテルやマンションの一部を、ツムグ側がリモートワーカーや企業の分散オフィスとしてコーディネートし、貸し出す新事業で、宿泊客減少に苦しむホテル事業者とテレワーク環境を必要とする人や企業の両方のニーズをマッチングさせ社会課題解決につなげたい考えだという。  ツムグは昨年11月から、マンションなど賃貸住宅の空室、テナント空きスペースを、フリーランスや複業従事者、リモートワーカー向けに貸し出す「TiNK Desk(ティンクデスク)」というサービスを展開。同サービスは短時から利用できるワークスペースとしてコネクティッド・ロックも導入していることもあり、連携しているLINEのトーク画面上で施錠、利用予約、利用者履歴の可視化が可能。ひとり分の座席にモニターや充電設備、ホワイトボードを準備するなど、より集中できる社外ワークスペースとして提供してきた。
今年4月には法人向けの専有型分散オフィスとして「TiNK VPO(ティンクデスク ブイピーオー)」をスタートすると、今回の協業で福岡地所とマッチングし同社が持つ空室にTiNK VPOを導入することで、法人向けに空室を貸し出すことも可能になった。
7月時点では早良区百道浜にあるホテル「ザ・レジデンシャルスイート・福岡」の客室を15分からの時間貸しで提供。牧田社長は「コロナウイルス感染拡大の影響で在宅、リモート制度が浸透しているが、子どもが居て在宅でのミーティングが難しいという人たちは多くいる。従業員の家の近くでこのような空きスペースを活用した分散型オフィスを導入したいといった企業側からの依頼は起きている。今後もタッグを組み県内のホテル、マンションの空室などにニーズに応じて事業を拡大する計画。単純に空間を提供するだけでなく、働きやすい空間づくりにもこだわっている。コロナだけでなく、自然災害も起きる日本においてこれまでのような一局集中型のオフィスが見直されている中、拠点を小型、かつ分散できるような取り組みを福岡地所さんと一緒にやっていく」と話している。

2020年6月23日発行