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福岡―台北線は週8便まで回復 チャイナエアライン・林支店長


週刊経済2023年2月14日発行

3月に熊本―台北間にチャーター便

台湾のフラッグキャリア・チャイナエアライン福岡支店の林敬斐(りん・けいひ)支店長は1月30日、本誌取材に応じ、福岡―台北線の就航状況をはじめ、5月以降、日本政府による新型コロナウイルスの類型が2類から5類に引き下げられることに伴う需要拡大に大きな期待を寄せた。
―福岡―台北線の現状について。
 昨年10月の日本政府による水際対策緩和措置、台湾政府の「0+7(在宅隔離ゼロ+自主防疫7日)の移行で双方の往来がスムーズになった。その結果、週7便のデイリー運航まで復便し、1月からは金曜日のみ1日2往復まで回復している。けん引しているのは台湾からの利用客。週8便と今年の春節が重なり、搭乗率は非常に高かった。
―福岡から台湾への利用は。
 回復まで道半ばの状態が続いている。要因は2つある。まず円安や日本政府による国内旅行事業者を対象にした全国旅行割などの影響で、日本のお客さまが台湾にまで目が向いていないこと。2つ目は受け入れの問題。福岡空港におけるカウンター業務やグランドハンドリング(運航支援)の人手不足が影響し、増便を期待してもそれに対応できないという課題が依然として残っている。
―5月8日には新型コロナの類型が「2類」から「5類」に引き下げられる。
 私たちにとっても大きなチャンスだ。日本からの旅行需要を喚起するため、国内旅行事業者を対象にしたセミナーをはじめ、メディアによるプレスツアーなどを企画し、日本からの需要拡大に備えていきたい。早い段階で週14便のダブルデイリーに増便できるよう努力していきたい。
―九州では世界最大の半導体製造受託メーカー・TSMCが熊本県菊陽町に新工場を建設している。
 台湾から熊本への移動が増えてきており、熊本においても台湾への関心、旅行の機運が高まっているのを感じている。台湾との橋渡し役である当社としては、少しでもお手伝いができればと強く思っている。
先般、熊本県の蒲島郁夫知事が台湾の本社を訪問され、熊本―台北間の直行便就航をお願いされた。熊本では3月23日に新ターミナルビルが開業する。これに合わせ、チャーター便がすでに決まっている。旅客だけではなく、貨物の需要も期待している。TSMC関連の半導体関連だけでなく、熊本は第1次産業がさかんなだけに、農産物の輸出などの需要も期待できる。貨物に関しても新たな需要の掘り起こしに取り組んでいきたい。
林支店長は高雄市出身。1971年1月21日生まれの52歳。国立台北大学土地経済行政学部卒。96年チャイナエアライン入社。本社・貨物収益管理部プロジェクト・マネージャーを経て昨年5月から福岡支店長。趣味は旅行、水泳、料理。