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福ビル街区建替PJを安全・安心なビルへ計画変更  西日本鉄道


国内最高水準の大型複合ビルを目指す

西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目、倉富純男社長)は11月12日、同市中央区天神1丁目の福岡ビルなど3棟を一体的に建て替える「福ビル街区建替プロジェクト(PJ)」を安全・安心なビルへ計画変更するとともに、商品性の向上を図り国内最高水準の大型複合ビルを目指すと発表した。
これは福岡市が進める「感染症対応シティ」の実現や産学官連携で進める国際金融拠点誘致に伴うハイスペックオフィス需要の高まり、政府による「温室効果ガス排出 2050年実質ゼロ」表明など外部環境の変化を踏まえ、計画を変更するもの。感染症対応や環境負荷低減、BCP対応の強化を図るとともに、西日本最大規模となる基準階面積を有するオフィスの実現などで商品性の向上を図る。着工は2022年1月を予定。完成は当初の24年3月末から同12月末に変更し、24年度内のオープンを目指す。
感染症対応面では、オフィス全フロアに天候や騒音に左右されず自然換気ができるダブルスキンを採用し、非接触エレベーターシステムを導入。カンファレンスにはテラスを設置するほか、オンラインセミナーやWeb展示会への対応として通信環境を充実する。環境負荷低減面では地域熱供給システムの導入によるCO2排出量削減や、BEMS(ビルディング&エナジーマネージメントシステム)の導入によって照明・空調などを制御するほか、省エネ効果のあるCO2除去デシカント空調機をオフィスとして国内初採用するなど、外資系企業の誘致に有効な国際的環境性能評価「LEED認証」取得を目指す。
商品性の向上面では、最も多く繰り返される代表的な平面を持つ「基準階」の面積を計画変更前の約4300㎡から約4600㎡へと拡大し、天井高3mの西日本最大規模となる大規模無柱空間を実現する。これにより、フレキシブルで効率的なレイアウトを可能にし、さらにセキュリティゲートを設置するなど、外資系企業のニーズに対応したハイスペックオフィスを目指す。オフィスエントランスのある6・7階のスカイロビーでは、外装デザイナーのKPFを内装デザイナーとしても起用し、打ち合わせのできるラウンジ空間やコワーキング、カンファレンスなどを配置する。
同プロジェクトは敷地面積が約8600㎡。建物は高さが約96mで、地上19階、塔屋1階、地下4階建て。延べ床面積が約14万5千㎡(計画変更前約13万8千㎡)。地下2階~地上4階が商業、地上8階~17階がオフィス、18・19階がホテル、6・7階がスカイロビー、5階が設備フロア、地下3・4階が駐車場となっている。

2020年12月8日発行