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硝酸塩低減剤の実証研究を開始   楽しい   グラノ24Kなど2社と共同で


 環境商材開発、販売の楽しい株式会社(北九州市若松区向洋町、松尾康志社長)は、5月17日から飲食業の株式会社グラノ24K(遠賀郡岡垣町手野、小役丸秀一社長)とその関連会社農業法人株式会社ゆうま(同町)と共同で、硝酸塩低減剤の実証研究を開始する。
 これは同社が5年前から研究を進めていたもので、これまでのプランターでの実験から岡垣町にあるゆうまの畑での実験に移行するもの。硝酸塩は土壌にある成分で、植物が吸収してたんぱく質などに合成するが、「えぐみ」やヒトの体内で還元され亜硝酸塩になると発がん性物資の生成に関与する恐れがあるという。欧州では早くから硝酸塩の基準値が示されてきたが、今年4月に農林水産省から硝酸塩低減を普及、推進をはかる施策も示されるなど日本でも注目が高まっている。
 同社が開発した硝酸塩低減剤は植物中の硝酸塩を半減させ、「えぐみ」を取り除くほか、収穫量を15%増加することができるという。今後はゆうまの畑で硝酸塩低減剤を配合した肥料を使用し、生産した野菜をグラノ24Kの飲食店で調理し、残った生ゴミを楽しいの処理機で堆肥化する。ゆうまからは硝酸塩低減剤使用後の土壌の変化などデータを採集し、研究に生かしていく。当初は使用面積100平方メートルから開始し、徐々に拡大する。通常堆肥は1キログラムあたり5円ほどだが、硝酸塩低減剤などを加え500円程度で販売する予定。また連携しているホール野菜、カット野菜製造販売のデリカフーズの子会社・デザイナーフーズ(本社・東京)も全国6カ所で同様の実験を開始する。実用化の目途が立ち次第、他の連携先に硝酸塩低減剤とノウハウを提供することで全国展開を図っていく。松尾社長は「今年は顔の見えるリサイクルを完成させ、来年は顔が見え、話ができる地産地消の全国展開を進めていきたい」と話している。
 同社は2001年6月設立、資本金2,000万円。従業員数は6人。今年2月に本社を現在地に移転した。