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県支援の線虫がん検査が実用化へ  東京・HIROTSUバイオサイエンス


1月から県内居住者を対象に

福岡県が久留米市と連携し、バイオ関連の研究開発を支援する「福岡バイオバレープロジェクト」を活用し、線虫を用いたがんの早期発見技術の開発を手掛けてきたバイオベンチャー・㈱HIROTSUバイオサイエンス(東京・紀尾井町、広津崇亮社長)は、1月から同社が開発を進めてきた「N-NOSE」を実用化する。
N–NOSEは、優れた嗅覚を持つ線虫の習性を生かし、尿一滴でがんのリスクを判定できるもの。1月から地方共済事業組合事業で取り扱いを開始、全国に先駆け、同組合福岡県支部の組合員を対象に宅配による検体の受け取りサービスを始める。検査料は9800円。利用者は専用サイト「N–NOSE」で購入・予約、同社が自宅や集合場所で回収する。胃がんや大腸がんなど15種類のがんのリスクが判定できる。判別精度は85%程度。春ごろから県内全域、東京23区の居住者に対象範囲を広げていく方針。  事業化を前に広津社長は12月21日、福岡県庁を訪れ、服部誠太郎副知事や、久留米大学医学部とのマッチング支援などを行った久留米市の大久保市長に事業化の報告と、デモンストレーションを実施した。
服部副知事は「全国に先駆け、福岡県から検査が開始されることに感謝したい。普及によりがん検診の受診率向上に期待できる」、大久保市長は「すばらしい技術を持つ企業が福岡・久留米から次々と成長することで、バイオコミュニティの形成につながることを期待している」などと同社の成長に期待を寄せた。

2020年12月29日発行