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県庁敷地内に移動式水素ステーション  岩谷産業    1時間で2台を満充填に


 ガス専門商社の岩谷産業株式会社(大阪市中央区、野村雅男社長)は11月31日、福岡県庁の敷地内に、FCVへ燃料を供給する移動式商用水素ステーションを開設、同日記念式典を開催した。
 県がFCV普及拡大のために開設を計画していたもので、同社が北九州市に開設した定置型ステーションに続き、福岡県内で2カ所目の商用施設で、移動用(圧縮水素オフサイト供給)では九州初となる。同社にとっては全国11カ所目。県庁正面玄関側の議会棟よりの立地に、移動式トレーラーが常駐する。トレーラー内には水素圧縮機、蓄圧器、ディスペンサーなど定置型とほぼ同様の設備を備え、供給能力は100N立方m/h、1時間当たり2台の満充填が可能という。水素を貯蔵する「ガードル」を満充填で6台分収容することができ、需要に応じて外部から水素を補充しながら供給していく。営業時間は平日のみで、月曜日は12時から16時、火~金曜日は10時から16時。
 現在、県内ではタクシー5台を含む29台のFCVが走行している。小川洋福岡県知事は式典のあいさつで、これまで福岡市内に商用ステーションがなかったことを踏まえ、「これからは平日は毎日、水素を充填できるようになる」と開設を喜び、「多くの方々がFCVを導入するきっかけとしてもらいたい」とFCV普及拡大へ意欲を見せた。岩谷産業の野村社長は「東京のステーションでは1日に10台のFCVが訪れることもあり、普及は着実に進んでいる」と語り、「福岡県は小川知事の強力なリーダーシップの下、非常にFCVの普及拡大に積極的な地域」と県内の取り組みを評価した。