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病院初となる経営学賞「デミング賞」を受賞 飯塚病院
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週刊経済2022年11月1日発行
11月4日、経団連会館で授賞式
麻生グループの飯塚病院(飯塚市芳雄町、増本陽秀院長)は、10月4日付で一般財団法人日本科学技術連盟デミング賞委員会(東京都杉並区、十倉雅和委員長)からTQM(総合品質管理)に関する世界最高ランクの経営学賞「デミング賞」を受賞した。病院として同賞を受賞したのは今回が初めてとなる。
デミング賞は1951年に創設されて以降、日本製品に関するTQMの進歩に功績のあった民間団体および個人に授与している経営学の賞。今年3月から9月にかけて同委員会による審査を行い、決定した。今回受賞した背景には、①30年にわたってTQMに取り組み、順次取り入れてきたさまざまな活動の関係を整理。2019年からTQM強化に取り組んでいる②中長期計画を核とする多職種の連携と総合的マネジメントの実践、多様な改善活動展開による改善カルチャーの浸透と業務プロセスの革新③標準化と情報システムの効果的活用④地域の医療関連施設との密接な連携など特徴ある活動を展開している点を挙げている。
その結果、「重篤患者の救急車受入率が向上し、新たな専門医療の導入に成功するとともに、インシデント数が減少し、退院支援件数が増加している。また、スキルを持った人材が育ち、職員の満足度が向上している。それらの総合的な効果として、入院患者数や紹介患者数が増加し、健全な経営を維持できている(デミング賞委員会)」という評価を得ている。なお、同賞の授賞式は11月14日に経団連会館で行われる予定。
同病院は1918年(大正7)8月に開設。許可病床数は一般978床、精神70床の計1048床。職員数は2453人(2022年10月現在)。年間外来患者数は41万9602人(21年度実績)、入院患者数は年間30万440人(同)、救命救急センター受診者数2万1937人(同)を受け入れている。