NEWS

病理AI解析など展開のメドメインに出資  QTnet


九大発のベンチャー

九電グループの情報通信事業会社、㈱QTnet(福岡市中央区天神1丁目、岩﨑和人社長)は8月24日、病理AI解析・遠隔病理診断サービスなどを展開するメドメイン㈱(同区赤坂2丁目、飯塚統代表取締役)に出資したと発表した。
メドメインは、「いつどこでも必要な医療が受けられる世界の実現」を目指し、ディープラーニング(深層学習)を用いた病理AIソリューション「PidPort」を開発・運営する九州大学発のベンチャー企業。同ソリューションはAIでのスクリーニング解析・遠隔病理診断・画像データの保管まで一貫したサービス提供で、診断時のワークフローの軽減化や遠隔診断時の効率化を実現。世界的な問題となっている病理医不足の解決策として医療業界から大きな注目を集めており、昨年の起業家万博で最優秀賞である総務大臣賞を受賞するなど、国内外で高く評価されている。QTnetは今回、メドメインの第三者割当増資に応じて4月に出資した。出資額は非公表。今後、保有するセキュアな通信基盤やICTソリューションサービスの活用で、メドメインの事業を支援するとともに、協業によるシナジーで医療業界の発展に貢献していく。
メドメインは2018年1月設立。資本金は11億9千万円(資本準備金含む)。医療ソフトウェア・クラウドサービスの企画・開発・運営・販売を主業に、関連会社として米国現地法人を持つ。起業家万博の総務大臣賞(2019年)をはじめ、日本オープンイノベーション大賞(20年)での文部科学大臣、NewsPicks MAKEMONEY(19年)やLive Sharks Tank(18年)での優勝などの実績のほか、世界最大の学術雑誌「Scientific Reports」に今年論文が掲載されている。同社の同日の発表によると、今回の第三者割当増資で約11億円を調達し、累計で約12億円の資金調達が完了。今回はQTnetのほか、国際医療福祉大学・高邦会グループや福岡和白病院グループ、ベンチャーキャピタルのHike Ventures,LLC、㈱みらい創造機構が増資の引受先となっている。

2020年9月1日発行