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環境省のブルーカーボン取り組み事例集に採択 ヴェントゥーノ


週刊経済2024年1月16日発行号

糸島漁協との地域貢献協定

健康食品や化粧品販売の㈱ヴェントゥーノ(福岡市中央区大宮2丁目、中野勇人社長)が糸島漁業協同組合と結んでいる「ブルーカーボン推進における地域貢献協定」が12月、環境省の「我が国におけるブルーカーボン取組事例集—藻場干潟の保全・創出によるCO2吸収源対策―」に採択された。
同事例集は全国のブルーカーボン推進に関する企業や地方自治体の活動事例を紹介するもの。国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)における環境省主催のジャパン・パビリオンで配布されたほか、今後の国内外の環境イベントなどで周知される予定。
ブルーカーボンとは海藻などの海洋生態系に蓄積される炭素のことで、二酸化炭素の吸収源として期待されている。ヴェントゥーノは2021年に糸島漁協と「ブルーカーボン推進における地域貢献協定」を締結。ヴェントゥーノは海藻成分「フコイダン」を使用した商品を開発・販売しており、糸島漁協から継続的にメカブやアカモクを購入することで、漁師の収入安定とワカメの生産量向上に寄与するとともに、磯焼け(藻場の減少・消失)対策や、海藻養殖をきっかけとして自生海藻を生み、ブルーカーボン創出につなげていくことを目指している。この一環で、22年には廃棄メカブを活用したスキンケアブランド「人魚の伊都姫」を販売開始したほか、アカモクの試験栽培に取り組み、昨年養殖している海の海底に天然アカモクの自生を確認したなどの成果をあげている。同社では「磯焼けが問題となっている糸島の海を海藻の力で復活させ、さらにブルーカーボンで地球温暖化対策にもつなげていきたい」と話している。